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制作裏話

Part1.PCゲーム冬の時代になぜ新しいブランドを?

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([写真左]Si-phon代表:谷村、[写真右]有限会社エレメンツ取締役:石川)

『空母決戦』プロデューサー
『空母決戦』プロデューサー
大星株式会社代表取締役。「緻密」より「遊びやすさ」をモットーに今回PCゲーム市場へ参入。

[石川]:いきなりの質問なのですが、なぜ、日本のPCゲームが冬の時代に、わざわざ国産の新ブランドを立ち上げたんですか?

[谷村]:PCの普及台数はDOS時代と比べて桁違いに増えているのに、逆にPCゲームの販売数は桁違いに減っている。
原因を考えているとPCユーザーのニーズとメーカーの製品のズレが大きいんじゃないかと。

[石川]:具体的にはどのような部分がズレだと思います?

[谷村]:PCを持っているユーザー層の大部分は大学生以上だと思います。学校に行ったり仕事から帰ってきてからの時間でプレイできるゲームとして設計されてないんじゃないかと。
それに、ゲームを始めるにあたり膨大な予備知識が必要としたり、シリーズ化でルールや操作がどんどん複雑になって、気軽に始められるゲームでなくなってしまった。

[石川]:PCゲームは、家庭用ゲーム機との差別化を図るために、けっこう重厚長大方向に向かっていたと思うのですけど、谷村さんとしては逆だと?

[谷村]:家庭用ゲーム機とPCゲームが競い合えた時代はそれでもよかったかもしれませんが、今となっては、コアなゲーマー層だけが残って多くのユーザー層がついていけなくなったんじゃないでしょうか。

[石川]:なるほど。今のPCユーザーに合わせた題材や仕様のゲームを出していけば、ゲーム機と競合しない層を掘り起こせると?

[谷村]:そこまで言い切れるかどうかはわかりませんけれども、最低限やる事としてターゲットとしているユーザーの多くが最後まで楽しくプレイできる仕様で設計する事は必要だと思います。
最後まで遊べないとどうしても損した気分になりますよね?それが数度続いたら、誰も買わなくなるのが普通の感覚じゃないかと。


『空母決戦』ディレクター
『空母決戦』ディレクター
有限会社エレメンツ取締役。PCゲーム初期より数々のSLGを手がけてきたゲームデザイナー。代表作は「凱歌の号砲」(企画制作)、「ジャンヌ・ダルク」(企画協力)など。

[石川]:ちなみに、谷村さんは家庭用ゲーム機ではゲームはしないです?

[谷村]:しますよ。

[石川]: じゃあ、谷村さんがPCゲームを遊び続ける理由は?

[谷村]:PCの方が身近だからですね。メールのやり取りや情報の収集や仕事でも使うし、常に身近な存在です。
家族がTVを見ている時間ではゲーム機が使えないというのもありますが(笑)

[石川]:(笑)

[谷村]:でも、そういう環境の人もけっこういると思うんです。
あと、SLGのようなジャンルだと、パソコンの方が向いている場合が多いですし。

[石川]:谷村さんは、ゲーム業界も、パソコン業界もまったく経験がないですよね。
それでPCゲーム事業を立ち上げようと思うのはけっこう勇気がいると思うのですが、不安とかはなかった?

[谷村]:全くなかったというと嘘になりますが、失敗する事から考えると何事もうまくいかないので。
うまくいく方法を常に考えるように心がけようと。

[石川]:なるほど。でも、実際にスタートしてみると、やはり苦労の連続だった、と(笑)

[谷村]:(苦笑)

[石川]:では、そのあたりの話については次回にお聞きしましょう。

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