Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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『ゲームジャーナル』 とは 6 years ago
-ゲームジャーナルの特徴-

ゲームジャーナルは、『ゲーマーによるゲーマーのためのボードゲームSLG専門誌』である。
海外でも著名なゲームデザイナーである中村徹也氏。彼が代表のシミュレーションジャーナル社が年四回発行している。
ゲームジャーナル誌の構成は、ゲームデザイナー視点からの戦史解説がメインである。
ここは作家でもなく、歴史家でもない点が興味深い。そして毎号、アナログボードゲームが付録している。

誌面ではルールブックに収まらない、ゲームコンセプトやデザイナーズノート風の記事など、付録ゲームに関する内容が
多い事も、このゲームジャーナルの特徴であろうか。

また付録ゲームの特徴は、オリジナルのものが多い点だ。
オリジナルであるという事は、過去、業界が背負った欠点を見つめなおし、ちゃんとプレイできる事が前提となっている。
これは全くもってあたり前の事なのだが、このあたり前の事があたり前で無かった時代があった事も事実である。
勿論、過去の名作の復刻や、ライセンス品も存在し、これらの選択には上記の条件≪プレイ可能である点≫が前提だ。

-ゲームジャーナル別冊の位置づけ-

年四回発行されるゲームジャーナルとは別に、更にゲームへ特化したシリーズである。
ゲーム誌の付録では再現できない、もう少しボリューム感のあるゲームを提供したいとの事だろうか。
現在販売されている「信長最大の危機」「大日本帝国の盛哀」などは、マニアの間でも評価が高い。
またなんと「ヒストリー・オブ・サムライ」は、源義家から徳川家康までもが登場する、長い武士の歴史を再現している。

-GameJournalNo.31付録「文禄朝鮮の役」-

初めにことわっておくが、このゲームは別に李氏朝鮮国を征伐するゲームではない。
明・朝鮮側が手馴れていた場合、恐らく、日本側で勝利する事は難しいであろう。よって日本側の難易度は若干高い。
ゲームにおける将軍(武将)は、ユニットを指揮できる能力と、攻撃する能力とで表現されている。
攻撃力が高いと強い、という事なのだが指揮できるユニット数が制限されていると、何かと制限が多い。
日本軍でまともに行動できるのは、実は加藤清正くらいなのだ。
島津も戦闘力はあるのだが、指揮できるユニット数が少なく使い難い存在である。

この切り口が何を意味するかというと、日本軍は強いが脆い、である。
強い方が勝つのではなく脆い方が負けるという≪過去の歴史・戦史の≫法則を、このゲームは見事に再現している。

話をゲームに戻してみると、プレイする限り、日本軍のプレイスタイルは幾つかある。
まずは最初に真面目に勝ちに行くプレイスタイル。ゲリラ戦対策をトコトンやる。それで負ければ仕方がない。
そしてもう一つは、勝負は放っておいて、清正を自身で設定した目標点まで突き進ませるプレイ。
気分はミューズ川へ突き進む、無敵のパイパー戦闘団といった所か。
その他にも、自分なりの美学に基づいて、遊びたい様に遊べば良いではないか。それが出来る素材であると感じる。
ルール上の勝負に拘らず、自分のプレイスタイルに合わせたプレイが出来るというのは、かなり嬉しいものである。

-GameJournalNo.32「霧の関ヶ原」とNo.34「燃えよ!姉川」-

実は、この二つの号の付録ゲームを、まだじっくりとプレイが出来ていない。
但し周りの評価は悪くなく、というより、高い評価を耳にする。早くプレイする時間を確保してみたいものだ。

この中で姉川については、セットアップとソロプレイを少しだけやった。
美しいマップにユニットをセットアップしてみる。詳しくリサーチした訳ではないのだが、初めは違和感を覚えた。
いやいや、これは絶対ないだろう」と配置していくその傍らで、強い徳川などのレートにも疑問が沸く。
そうしてセットアップを終了してみると、デザイナーの心境が伝わってきた。
でもこのノリが大切なんだよな」と。

ルールには様々な制約がある。
だが、その制約というのは、「浅井が浅井らしく、朝倉が朝倉らしく、織田が、徳川が、それらしく」を目指している。
講談ノリのセットアップとルールなのだ。
そしてこのノリが≪早くプレイしたいという≫気持ちを急かす。
ゲームとして、この気持ちの高揚も大切であると、改めて感じ入った。

-今後への期待-

恐らく、現状の多くのゲームジャーナルユーザーは、現在の路線を継続してくれる事を願っているだろう。
何故なら、過去の反省を踏まえたゲーマー目線のコンセプトであり、これを変更する必要を感じないからだ。
ただ残念な事に年四回しか発行されない為に、ジャンルの偏りが目立つ。
2in1の小さい方で良いので、国内ではマイナーなジャンルのゲーム提供もお願いしたい。

2010年8月1日 ジャンルの裾野を広げていただけるよう、期待を込めて。
Si-phon Game Club Vol.3 予告 6 years ago
昨年12月に『空母決戦トラトラ虎の巻』を出して以来、ほぼ2ヶ月毎に配布している小冊子であるが、
今回の『Si-phonGameClub』において、はやVol.3を数えるに至った。しかも今回は倍増の32ページである。
配布を継続できているのも、周囲の応援があればこそである。深く感謝したい。

Vol.3である今回は、弊社『戦ノ国~もののふ絵巻~』の発売を前にして、プレイ風景を掲載した。
チュートリアルを意識したもので、武田家にてプレイ開始後、序盤の流れを記事にしている。
このページにより大まかなプレイ手順を認識していただけたら、という展開である。

これに続けて、いつもの戦国コラムに変えた形として、戦ノ国の「もののふ年表」を用いたコラムと裏話を掲載。
戦ノ国の初回特典冊子』には、この内容に近いものが掲載されている。
特典の中に「年表コラム」という章があるのだが、その部分のサンプルとなるだろうか。
この様なゲーム以外の部分にも、僅かでも興味をもって頂けると嬉しい。

この後には、『空母決戦』のシナリオ追加キャンペーンの説明や、『日本機動部隊TASKFORCE』の
プレイ風景記事が続き、今回始めて「空母コラム」が入る。徳岡正肇氏のコラムである。
徳岡氏のコラムはもう一本、「ゲームコラム」が続く。
前回まで「戦国コラム」として二本のコラムを掲載していたが、今回は「空母コラム」「ゲームコラム」とした。
今後は戦国というジャンルにとらわれず、もっと幅広いストラテジー一般について語るコラムとしていきたい。

そして、何かと評判のインタビュー記事であるが、今回は中黒靖氏のインタビューである。
鈴木銀一郎氏のもとで学んだゲームデザイナーでもあり、編集長でもある『中黒イズム』を聞き出せた。
多忙な身なのだろう。最近はあまり表へ出てこない中黒氏の一面を語る、貴重なページとなるであろう。

この流れで『コマンドマガジン編集部がリリースしている商品群』の紹介と、ボードゲーム誌の紹介という事で、
これに続ける事、『ゲームジャーナル誌』の紹介という形で締める構成だ。
ここはふと思い出した、かつての少年誌へ掲載されていた、あの頃のボードゲームの広告を意識してみた。
あの頃は購入するにあたり、葉書へ第一希望から第三希望まで書いて、どれが買えるか分からないという、
今思うと、もの凄い購入方法であったと記憶しているが、当然ながら、今は欲しいものがちゃんと買える。
などと、昔の思い出が蘇って来るユーザーが居る事を、軽く想像してみる。
電子書籍(ePub)版配信開始 のお知らせ 6 years ago
iPad/iPhoneのユーザー様向けに、電子書籍として読める「Si-phonGameClub」の「ePub」版登場!
Podcast形式での配信を開始しています。

■配信ページアドレス
http://si-phon.com/epub/

詳しくは上記リンクより。

<お取り扱い記事>
2010年07月21日4Gamer.net様
2010年07月22日Podcastjournal様
2010年07月23日EPUBFUTURE.COM様

<リリース掲載>
2010年07月22日ケータイwatch様
ウォーシミュレーションゲームの将来 について 6 years ago
-アナログとデジタルの定義は不毛-

そもそも、アナログゲームとデジタルゲームの定義について語るのは難しい。むしろ、不毛である。
媒体を対象とした区分けなのか、プレイスタイルを対象としているのか、など等、捉え方も個々人様々であるからだ。
VASSALのシステムを用いたプレイスタイルといった、微妙な定義もある。
ここでは別の視点で切り出したいと思う。

だがその前に、アナログであろうと、デジタルであろうと、同じジャンルであると位置づけたい。
ウォーシミュレーションゲームというジャンルであるのだが、戦史という素材を用い、ゲーム化されたコンテンツを利用
するという点では同じであろう。
この両者が同じく一度は盛り上がりながら、似た様な理由で崩壊し今に至る軌跡と、これからすべき事を追ってみたい。

-アナログの先駆け-

まずはアナログゲームについて。
ここでのアナログは80年代に全盛期を辿った、ボードゲーム系のウォーシミュレーションゲームの事を指して語りたい。
日本機動部隊TASKFORCE」などがこれに相当する。

アナログの基本プレイスタイルは、対人戦プレイである。
つまり、ゲームとして成立させる為には、対戦する楽しさを共有できて、かつ、場が持たなければいけない。
これが無いならただの「図上演習」である。
図上演習のシミュレーターとしてなら、リサーチしたデータをのせるだけでよい。
であるならば、よりリサーチを深め、より史実に近いシチュエーションを提供し、史実と同じ結果が訪れる。
これこそが最高の代物であろう。
だがこれは、本当にウォーシミュレーションゲームと呼べるのであろうか。

更に「リアル」という言葉が追い討ちをかける。
何をもって「リアル」なのかが問題なのであるが、多くの人々は、現実へ近づくと感じれるものをそう受け止めた。
そうした結果、より図上演習に近いシミュレーターであり、よりボリューム感のある商品が売れるようになる。
遊べて楽しむ、という事とは別ベクトルの購買意欲と、売って利益を出したい、というメーカーの思惑がここで一致した。
しかし、買ったが遊べない。当たり前の事である。
その後に残ったのは、焦土と化した市場と、去っていく大手メーカーであった。

-デジタルの追随-

デジタルゲームの大きな特徴として、AIをコンピューターで持った場合、ソロプレイが可能であった事である。
これにより「対戦相手を見つける」「ルールを共有する」といった、アナログでの問題が一気に解決された。
また「面倒であった諸計算」や「持てるデータ量」も、「難解かつ長大なもの」が利用できるようになる。
所がこの大きな特徴が、次第に足を引っ張っていく事となる。

まず、パソコンを使ったウォーシミュレーションゲームも、出始めの頃はボードゲームのものと変わらなかった。
ハッキリ言ってしまうと、はじめは一人でも遊べるゲームとしてのコピーである。
そこから進化が始まるのであるが、一人で遊ぶ事が前提であると、対人戦主体のアナログとの違いが出てくる。
その一つに、アナログでは楽しいはずのシーソーゲームが、デジタルでは苦痛に感じるユーザーが多く発生した。
セーブ・ロードが簡単にできるようになると、それを繰り返してでも、自分の都合のよい結果だけを求める様になる。

結果、シーソー型ゲームは淘汰された。歩調を合わせるかの様に作戦級ゲームも消えた。
また戦略級のものは、コツコツ成長型のゲームばかりになってしまった。
その他にも、戦術級はRTS、戦闘級はFPSと呼ばれるリアルタイム系のジャンルへ進むが、ここでは省略する。

そうして残ったコツコツ成長型の戦略級ゲームも、ここから落とし穴へ落ちていく。
単調な画面が多い戦略級シミュレーションゲームの特徴だが、何らかのコマンドを使わせて場を持たせる。
そのコマンドを使わせる結果が、数値の変化を見せるという手法に繋がるのだが、ここで数値の見せ方が重要になった。
この流れで売り方のフォーカスも、当然ながら、そちらへシフトしていく事となる。
その結果、待っているのは肥大化される「無駄」である。
ゲームデザインしていく上では、たとえ無駄だと分かっていても、利用価値がある様に見せなければならないだろう。
利用価値がある様に見せる工夫は、アナログの落とし穴であった「リアル」という要素であった。
その後の出来事に関しては割愛する。

-今は盛り上げる努力が必要 である-

アナログとデジタル、道と次期は違えど、双方は同じ罠にはまり、同じく市場は崩壊した。
同じジャンルとしての宿命だったのであろうか。
しかし、先に罠にはまったアナログの世界では、この問題に真剣に取り組み、現在まで活動を続けてきた方々がいる。
現に今デザインされているアナログゲームは、20年前のものと比べると、格段にプレイしやすくなっている。
デザイナーの解釈のベクトルがそう向っているのだろう。あとはこの変化をアピールしていかなければならない。
メディアやイベントなどを用い「シミュレーションは楽しいホビーである」との告知を続ける努力が必要なのである。
この変化に気づいている一部ユーザーは、この流れを心の底で喜んでいる事だろう。
先日参加させて頂いたイベントでも、これらの意見交換が熱心に行われていた。

デジタルの世界でもこれらに習い、真剣に取り組んでいこうと思う。
まずは、初めてゲームの世界へ入ってくるユーザーが、きちんと最後まで遊べるゲームである事。
そして素材としている歴史や戦史へ、きちんと興味を持ってもらえる事。
こういった間口戦略こそが、プレイ人口を増やしていくには大切なのだと思う。
ただ面倒臭いだけという、シミュレーションに根付いてしまった一般のイメージを、我々も払拭していきたい。

2010年7月19日、活動を続けている先人諸先輩方への活動に敬意を払い、このジャンルを良くしていこうと誓う。

空母決戦シナリオ追加キャンペーン とは 7 years ago
-決戦!再び-

ミリタリーファン、戦史ファンが、子供の頃より懐いていた「俺が南雲ならミッドウェーでは負けない」という思い。
その実現を目指し、プレイヤーが日本機動部隊を指揮して戦う、作戦級ゲーム『空母決戦』。
早いもので、最初のバージョンどころか、次の『Ver1.5』の発売からも一年以上が過ぎた。

最近のPCゲームの場合、機器の能力が向上した事に伴い、ファイル容量も増えてきている。
よって、ハードディスク容量が圧迫されてしまい、飽きてくると削除してしまうものだ。
こういった世情の中において、未だにプレイして頂いたり、要望まで頂ける事は此方としても嬉しい限りである。

そうした中、現状、提供できるサービスはないだろうか、と模索し、シナリオの追加を決定した。
ただ、ご存知の様に、史実における主だった空母戦は、『Ver2.0』の段階で網羅してしまった。
バリエーションシナリオは、ミッドウェー、珊瑚海の各シナリオにて既に行っている。
という所で、今回は二本の架空戦という形を取った。
一本は中難易度、もう一本は難易度の高いもの、という事へ。

-追加シナリオ「レイテ空母決戦!」-

「マリアナやレイテは難しすぎる」という話も多く伝わり、今回は「レイテ」をもう少し楽しめるものへ。
信濃や、雲龍型の空母陣を、烈風と共に投入しているシチュエーションとした。
信濃、雲龍とも≪期待をされながら≫実戦での活躍の場が無かった、悲しい空母である。
烈風は≪零戦の開発陣がその後継機として≫開発を続けていたものの、実戦配備が間に合わなかった。
両者の活躍を期待してみたい。
史実シナリオでは、心苦しい扱いであった日本機動部隊であるが、このシナリオで少しは発奮できるだろう。
だからといって、米軍が弱い訳ではない。『楽しめるが易しくない』がコンセプトである。

-追加シナリオ「ラバウルの落日」-

そしてもう一本は、これまでのシナリオで影の薄かった『ラバウル航空隊』が活躍できるものとした。
史実において、坂井三郎や岩本徹三など、多くのエースパイロット達が≪鬼人の如く≫この地を守り続けた。
ラバウルの空を守り続けていたのは、実働、僅か≪30機程度≫の零戦隊であったと言われる。
だが、米軍にとってみると、この僅かなハズの零戦隊が、実は、数百~千機は居ると判断されていたと言う。
彼らは当に、一騎当千の大活躍をしていた訳だが、苦しい戦いが続いていたのは確かである。
その伝説の航空隊と、日本機動部隊の精鋭を指揮するが、『敵も強大で苦しい戦い』がコンセプトである。

発売後、時間が経ってるソフトではあるが、これにてユーザーに喜んで貰えたり、増えてくれたりする事を願う。

2010年6月17日、長く遊んで頂いている事への、感謝の気持ちと共に。




■2010-12-08追加■

-2010年12月8日 Return to Pearl Harbor

なんとも嬉しい事に、最初の発売から2年近く経とうとしている「空母決戦」へ、熱いご要望は続いている。
幼き頃の願いを再現すべきアイテムとして登場させたのだが、『童心に戻れるひと時』なのだろうか。
夏で一旦終了したキャンペーンであったが、再開のご要望厚く、どうせならもう一本追加、となった。

今回も架空戦なのであるが、『ミッドウェーの先にあるものは』をテーマとした。
ミッドウェーに勝利し、続く南方作戦も成功を収めるという、都合のよい設定なのである。
この先にあるものは、米国の西海岸上陸でもなく、米国本土の蹂躙劇でもなかったはずである。
そういうテーマのゲームは別にあるので、ここでは空母決戦らしく、ハワイ攻略をもって講和へ持ち込む。
このシチュエーションで設定してみた。

-追加シナリオ「真珠湾再び」-

日本海軍としては、それまでのビジョンを大きく狂わされた≪まさかの≫ミッドウェーであった。
だが「俺が南雲ならミッドウェーでは負けない」がテーマのゲームであるからには、その続きが欲しい。
そこで、再び真珠湾へ進撃し、米軍と講和を急ごういう作戦である。
これ以上の負けが許されない米軍としては、英国へ救援を依頼。ハワイ沖での決戦となる。
真珠湾で始まり、真珠湾で締める戦いとなるのであろうか。
奇襲でない真珠湾の戦いは、精鋭の日本機動部隊でも苦戦するであろう。
明治維新以降、西洋列強と対等に渡り歩いてきた小さな島国の『綱渡りの締め』がテーマである。

2010年12月8日、多くのユーザーへの感謝の気持ちと共に、キャンペーンを再開する。

『空母決戦のすべて-激突!!日米機動部隊-』 とは 7 years ago
-PCゲームが付録したミリタリー戦史本-

2010年5月20日、エンターブレインより発売された戦史ムックである。
弊社の作戦級ゲーム『空母決戦』のシナリオ、「マレー沖海戦」と「珊瑚海海戦」の二本が付録している。
一応、体験版との表記ではあるが、とりあえずこの二本のシナリオはフルで遊べる仕様とした。
機能としては『空母決戦Ver2.0』相当である。
「珊瑚海海戦」が付録という事でスタートしたのだが、初めてPCゲームを触るユーザーもいるかもしれない。
そこで、シミュレーションゲームが持つルールの複雑さも考慮し「マレー沖海戦」を追加した。
こういう発想が当たり前に出てくるのも-鈴木銀一郎デザイン-日本機動部隊』をプレイしていたからだろう。

今回、我々は書籍制作そのものに全く関与しておらず、よって『空母決戦』の攻略本でもない。
エンターブレイン側で編集・制作された書籍へ、ゲームプログラムが付録している形式だ。

-コアターゲットジャンルへの新たな挑戦

書籍そのものは≪大変読み易く仕上がっており≫空母の戦いとはこういうものだったのだ、という事を教えてくれる。
結果的に『空母決戦』をプレイする為、「空母戦」の予備知識を得る手引書としても利用できる仕上がりである。
内容は、悪い言い方をすると軽目の内容なのだが、初めて目にする方、興味を持ち始めた方には、評判が良い。
この手のムックも最近はシリーズ化され≪シリーズを重ねる毎に≫内容がよりコアな方向へ向う、そうゲームと同じだ。
興味を持ち始め、初めて手にしても難しすぎて手放してしまう、しかし、そうしないとシリーズとして売れない。
既存のユーザーを優先すると生じるジレンマ≪何所かで聞いた様な葛藤劇≫が、確かにこの業界にも存在する。
この葛藤劇に悩むお堅いジャンルへ、エンターブレインが颯爽と参入してきた。

恐らく、エンターブレインがこのジャンルのムック誌を出すのは、これが初めてではないのだろうか。
通常、新しいジャンルへ参入してくる時は、既存のユーザーをどれだけ抱え込み、新たなマスをどう獲得できるか、
そういう嫌らしい思案が積み重ねられる。その結果、まとまりの悪いものが生まる事もある。
だから誌面を見た第一印象として≪エンターフレインの方向性は≫凄く思い切ったな、と感じた。
そもそもこういったジャンルは、興味を持ち始めた者と、長年、知識を積み重ねてきた者との、知識の差が大きい。
よって両方を取ろうとしても、その表現方法に相反する処が多いだろう。つまりは、両方を獲得するのは難しい。

-どこかで聞いた話-

この問題はPCゲーム業界と、非常によく似ている。
続編を作らないとやっていけない、続編を作るとよりコアな方向へ向う。しかし、それは複雑になりやすい。
その複雑化は≪新規に入ってくる者を拒み≫既存のユーザーさえも、次第に脱落させていく方向性を含む。
本来、コアユーザーの囲い込みと、新規ユーザーを取り込むアプローチ方法は、別個に考えるべきである。
但しプロジェクトが大きくなっていくと、掛かる費用も大きくなり、双方のアプローチは次第にミックスされていく。

PCゲーム『空母決戦』の場合はどうだろう。
このゲームは、この所のPCゲームの流れに、諦め感を抱いていたユーザーを対象とした。
プレイするにあたり、時間が長く、予備知識が多大で、操作も多く、ルールも複雑。この流れについて行けない。
但し素材への興味は昔から旺盛であり、少しも落ちぶれてはいない。
という所で≪プレイヤーの立場を司令官と位置づけ≫操作やルールも絞り込んだ。
離れたユーザーに、戻ってきてもらう為だ。

しかしながら、この所のPCゲームが苦にならないユーザーにとっては、もどかしい思いをしている方も居るだろう。
現に多くの要望も届いている。司令官のゲームから更に踏み込んで、空母のゲームへといったものが多い。
中には、ゲームを仕上げていく過程で外されたルールも多く、返答に困る事もあり、心苦しい時もある。
勿論、そういう要望をされているユーザーの気持ちも分かるし、将来、適えてやれる商品も提供していきたい所だ。

-エンターブレインが目指したもの-

話を元に戻そう。
エンターテイメント分野に強い、エンターブレインの事である。この書籍を出した意義は、一体、何だったのだろうか。
我々としては、シミュレーションゲームの面白さを感じて欲しい、に尽きるのだが、今はその土壌が崩壊している。
だが、その土壌であるべき、ミリタリーファン、戦史ファンを生み出していく土壌も崩壊しつつある。
新しいユーザーを生み出す、この様なコンテンツは≪本来重要視されるべきなのであるが≫減衰期に掛かると、
よりコアなものを作りそれを売る、その市場での売り抜け作戦に終始される中、結構、無視されがちだ。
そういう風潮の中において、あえてこの商品を送り出してもらった事に対し、同社プロジェクト陣の漢気を感じる。
弊社も応援していくが、この分野で見識ある方々も、この姿勢を是非応援していただきたいと願う。

2010年6月12日、このプロジェクトを実現して頂いた事への感謝の意に代えて。

<ご購入>


<関連先リンク>
空母決戦のすべて-激突!!日米機動部隊-(エンターブレイン)
Si-phon Game Club Vol.2 ご紹介 7 years ago
掲載内容
・Si-phon「戦ノ国(せんのくに)~もののふ絵巻~」+「もののふ焼酎」のご紹介
・Si-phon「空母決戦」と国際通信社「日本機動部隊TASKFORCE」のご紹介
・徳岡正肇氏の戦国コラム2本
・青柳昌行(青柳ういろう)氏のインタビュー
・エンターブレインより発売「空母決戦のすべて-激突!日米機動部隊-」のご紹介

■表紙
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■戦ノ国-もののふ焼酎・概略-
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■戦ノ国-合戦風景-
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■空母決戦-空母決戦と日本機動部隊-
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■戦国コラム-戦国時代と「地方」の時代-
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■戦国コラム-ストラテジーゲームとプレイヤー-
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■インタビュー-青柳昌行「シミュレーションは歴史のロマンとドラマ性を楽しめる」-
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■広告&ご紹介-「空母決戦のすべて-激突!日米機動部隊-」(エンターブレイン)-
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関連先リンク
空母決戦のすべて-激突!!日米機動部隊-(エンターブレイン)


Vol.3の予定
2010年夏ごろ、倍増の豪華32ページにて。特集は「戦ノ国」。チュートリアルガイド風の記事をご予定。
またボードゲームシミュレーションのご紹介も。
Si-phon Game Club Vol.2 予告 7 years ago
シミュレーション』の良さを知って貰うべく制作し、配布・公開中の『Si-phonGameClub』。
ご好評のVol.1に引き続き、Vol.2の配布・公開を近日中に予定している。

今回の目玉は、インタビューの株式会社エンターブレイン常務取締役「青柳昌行(あおやぎまさゆき)」氏。
元ログイン編集長でもあり、記者時代の『青柳ういろう』の名も有名である。
特にログイン時代、シミュレーションジャンル担当記者時代の、氏の記事を目にしていたファンは多いと思う。
主に誌面より、告知・助言・提案などを続け、このジャンルを育てていった実績はあまりに大きい。
現在では更に多くのジャンルを取り扱っており、メディア側の意見として、面白いお話しを頂戴している。
前回の鈴木銀一郎先生と、対照的な内容も興味深いものとなった。
同じクリエイティブな仕事であっても、ディレクション側とメディア側の見方が興味深い。

また、徳岡正肇氏の戦国コラムも継続。今回も二本が掲載される。

弊社の製品紹介としては、発売延期になってしまった『戦ノ国』の合戦風景を掲載。
前回の画面が開発初期のものであったので、今回のもので製品版をイメージできるだろう。
その前に、三月より先行発売された『もののふ焼酎』も少しだけ宣伝させて貰っている。

その他の紹介としては、弊社の『空母決戦』の開発指針や国際通信社の『日本機動部隊』のご紹介。
更に『空母決戦のすべて-激突日本機動部隊-』(エンターブレイン2010年5月20日発売)のご紹介。
こちらは空母決戦のシナリオ「マレー沖海戦」と、「珊瑚海海戦」の二本が付録している戦史ムックだ。
恐らく、エンターブレイン社から出る初めての歴史系硬派なムックではないのだろうか。今後にも期待である。

最後に、空母決戦ページと表4ページに掲載されている、追加シナリオのキャンペーンに関する内容であるが、
ギリギリまで待ったものの、印刷日時の関係上、詳しい内容が掲載できなかった。
詳細は何れサイトの方にて。
ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは 7 years ago
-空母戦というジャンル-

熱狂の渦にあったボードゲームの数あるジャンルの中で、多くの海戦ゲームも生まれた。
当然、その中には日本人好みに作られ、連合艦隊や戦艦大和、幻の八八艦隊が活躍するものが生まれる。
そうした中、システムやルールが確立できないジャンルがあった。空母戦である。

-ジレンマとの戦い-

一言で空母戦といっても、直接、空母が相手を攻撃する事は無い。
確かに初期の空母は砲撃可能なものもあったが、砲塔は≪使わない邪魔なものと分かり次第≫無くなっていく。
という事で実際の主役は≪時の最新鋭技術の塊であった≫航空機である。
空母戦は「空母の戦い」というより「艦載機の戦い」とも言ってよい。空母はあくまで管理の為の母艦である。

これにて従来の海戦ジャンルでは補えない≪艦船とは違った≫要素が加わる事になる。
また行動範囲も広い為、これまでの海戦を扱うMAPとは、当然スケールも変わってくる。
更に空母の運用方法も、国によって違ったり、時代によって変遷したりしている。
例えば米国だと、始めは航空機の運搬船程度の扱いから、日本が行った移動可能な打撃力としての運用結果を受け、
大戦中盤は防御面を補った基地として、終盤には造成不要の移動基地群として、運用できるドクトリンを確立する。
つまり、複数のジャンルがミックスされている上に、時代によってシステムが大きく変わる、とても厄介な素材。
これらをどうルール化し、ゲーム化するのか。

実はルール化はそう難しくは無い。大変ではあるが、作業として押し込めれば良い。それだけである。
但しゲーム化となるとそうは行かない。理論上動かせても、遊んで貰えないものはゲームと呼べない。
ここで出てくるのは、様々な要素が絡み合っている関係上、それらの要素を取り入れると複雑化してしまう問題だ。
この問題≪リアルを求めると複雑化していくジレンマ≫との戦いが、ゲームデザイナーの仕事である。
まぁ遊べなくても「仕様が多い」と案外売りやすものである。そこにも敵はいる。

-ゲームデザイナー鈴木銀一郎の切り込み-

この気難しいジャンルへ1982年、ゲームデザイナー鈴木銀一郎が見事に切り込む。
何故この≪切り込みという≫表現なのか。
そこにはゲームデザイナーとして、自ら曰く、遊んでもらう為の割り切った工夫が必要だからである。
 『ゲームとして何を楽しませ、何処へ集中するか』 (Si-phon Game Club Vol.1より引用)
つまり、選択と集中である。また、こうも言っている。
 『ゲームに現実の全ては乗せられない、乗せたらプレイできなくなっちゃう』 (同 引用)
鈴木銀一郎と言えど、きっとデザインしていく上で、多くのジレンマとの戦いがあったハズである。
この迷いとの戦いの中で≪己に勝つ為に≫言い聞かせ、判断を自問していった言葉がこれらなのだろう、と思う。

ともあれ『日本機動部隊TASKFORCE』は、遊びやすい空母戦ゲームとして世に出る。
そうして多くのユーザーの心を掴み、ファンとしたのは事実だ。
また他所の空母戦ゲームにおいて、よりリアルに見せる限りの、ルールとシステムが取り入れられた存在を知っている。
その製品もそれなりに売れたと思う。そういったルールやシステムも、購入への動機にもなるし、魅力でもある。
だが、非常に遊び難かったが為に、ユーザーのプレイ心までは掴めなかったと感じている。

-日本人が作った日本人の為のゲーム-

このゲームには『無敵零戦』と『アウトレンジ大和』なる、特別ルールが存在する。
ゼロ戦が本当に無敵という訳ではなく、より柔軟に対応できるというルールだ。練度の高さを表現している。
ヤマトに関しては、一方的に射撃できるか二度できるかの選択性になっている。46cm砲の特別ルールだ。
これらのルールに対しては異論も多い。異論の元になっているのは、史実へのリサーチという武器である。
だが、どうなのだろう。こういう≪講談的な≫ノリが、ゲームの世界へ入り込んでいく、魅力の1つではないのだろうか。
勿論、史実のリサーチを最重要視したゲームも在ってよいし、否定はしない。
様々なゲームが作られる事は、それを選択できるユーザーにとっても、実は喜ばしい環境なのである。

因みに、上記の特別ルールがあるからと言って、日本軍が特別強いという印象は無い。バランスは取れている。
ちゃんと史実をリサーチした上で、講談的な要素も取り入れ、更にゲームバランスに注力した結果なのだろう。

-JWC(ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス)での復刻-

多くのファンを魅了し、空母戦の金字塔を打ち立てた『日本機動部隊TASKFORCE』。
時は経ち、1982年に手にした少年も、今ではいくつになったであろう。
長い時の中で、紛失したユーザーも居ようし、ボードゲームから卒業したユーザーも多いだろう。出戻り組も居ようか。
そうした中において2009年、コマンドマガジン編集部の手により、見事に復刻された。
初版であった「カリルニア」などの、懐かしい表記までは再現されてないが、美しいフルカラーのマップとユニットである。
何より、マニュアルやチャートまでもがカラーという、分かりやすく伝える工夫は、鈴木銀一郎イズムの継承である。
よくあるコストを削った、形だけの復刻版ではない。
現在、弊社もお願いして、お取り扱いさせて戴く事ができている。

2010年5月15日、鈴木銀一郎イズムへ、少しでも参加させて戴けている事への、感謝の言葉に代えて。


作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは 7 years ago
-かつての花形ジャンル-

かつてシミュレーションゲームという、花形ジャンルが存在し≪大人のホビーとして≫一世を風靡した。
それは映画や小説の様に、ただ決められたストーリーをなぞるだけでなく、模型の様に眺めるだけでもなく、
自分の思いを描ける≪歴史のifへ自身を叩きつける≫事かできた。
子供の頃、映画や模型の中であった世界が、自身が下す判断により、結果を得る事ができる世界。
その世界に「夢」を膨らませ、「ロマン」を感じる事ができた。

まずは「紙とサイコロ」で遊べるゲームが国内でも登場し、その世界を≪共有できる仲間らと≫熱狂できた。
ボードゲームのウォーシミュレーションゲームである。
輸入ものに始まり、ルールの翻訳がなされ、国内で作られたものも登場する。
ネックはその仲間を探す事であり、共通のルールを認識し合う事であった。
この熱狂できるホビーの中で、一番ネックになっていた所を、簡単に取り払ってくれたのがコンピューターである。

-そしてブームは訪れる-

時代と共にコンピューターの性能も上がり、その表現能力も拡大し、ブームの到来と共にユーザーも増える。
すると、次第にユーザー間でも求める価値観の違いも発生する。
そうして求められたゲームが、次から次へと登場した。

-何故ブームは去るのか-

熱狂と共に、より高度なホビーへ進化するシミュレーションゲーム。
しかしながらその先に待っているのは、ユーザーへ対する、より高度な知識や能力の要求であった。
人間、成長と共に生活のリズムも変化すれば、価値観も変化していく。
高度なホビーの進化へ対し、全てのユーザーも進化し、ついて行けるハズもない。
その後にもたらされるのは≪ついて行けるユーザーだけが残る≫縮小された市場である。
そうして勝手ながら、供給者は次第に去っていく。

-ファンは居なくなったのか-

冷戦終焉より久しく、ミリタリーに興味ある若者が減っているのは、確かである。
だが、かつてのファンは居なくなったのであろうか。
否、自分が遊べるゲームが無くなっただけで、ゲームを行わなくなっているだけで、ファンは確実に存在する。
彼らにはゲームを止めてしまった理由があり、その主たる理由≪面倒だ≫を見つめなおす事は出来ないだろうか。
その為に世の流れに逆行し、作戦級と位置付け、プレイヤーの立場を司令官と割り切って絞り、登場させたのが、
作戦級ゲーム『空母決戦』だった。


-君の下した決断が、空と海を制する-

空母決戦』を最初にリリースした時のコピーである。コンセプトは「興味あるユーザーが最後まで遊べるゲーム」。
かつての子供も青年も、今では立派な社会人として、家族の柱として、社会生活の一翼を担っているであろう。
その結果、自分だけの時間は少なくなっている場合が多い。
詰まる所、悲しくも自由に使える時間は限られており、その時間内で「自分の楽しみ」を費やさなければならない。
今回は、そこへ≪コンセプトを≫集中した。

-目指したのは「俺が南雲なら」-

特にミッドウェー海戦は、映画、小説、解説本、等など、昔から様々な情報に溢れている。
当然ながら、戦史に興味を持つ日本人なら、あの戦いにおいて≪自分の指揮で勝ちたいと≫願うだろう。
更に進んだ願望として、珊瑚海で勝ったミッドウェーは?ミッドウェーで負けなかった南方作戦は?
その様な思いは、極々普通である。
空母を集中運用し、その威力を世界へ認めさせた戦力≪日本機動部隊≫を率いる魅力。
索敵、情報の判断、兵装の換装、攻撃隊への願い、上空直援隊の活躍、空母戦の魅力を味わえるゲームとして、
ルールも削るのではなく、絞り込んで設計した。

-蒼き地平線の彼方へ、君の決断を解き放て-

空母決戦Ver2.0』シリーズをリリースした時のコピーである。
空母戦に興味がある方々が≪大人のホビーとして≫手にしてくれる事を願い、機能を更に進化させ、世に放った。

-プレイ結果が、戦史を刻み続ける-

また、もう少し時間が取れる人のため、先の連続性の願望を持たせた『キャンペーンシナリオキット』も用意した。
大鳳や信濃、烈風や流星、史実で活躍の場のなかったこれらの兵器に対して、光が当たるチャンスを与えてみた。
これにて新たな太平洋戦史を刻んで欲しいと願う。

2010/05/11、デザイナーズノートに代えて。
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