Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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『源平争乱~将軍への道~』 とは 6 years ago
-日本史を扱うラインとして-

2011年5月20日無事に『源平争乱~将軍への道~』が発売された。
作品コンセプトに関しては、公式サイトへ掲載しているので、ここでは別の視点で語りたい。
 (作品コンセプトページはこちら)
ここでは「開発裏話」といった所か。

まずSi-phon(サイフォン)というゲーム事業を手がけるにあたり、3本の開発ラインを持とうとした。
 ・近代/現代を扱うライン
 ・古代/中世を扱うライン
 ・SF/ファンタジーを扱うライン
未だ同時進行できないでいるのだが、この三年の間、体制作りには邁進している。
3つのラインを持とうとしたのは、現在のゲーム市場においてジャンルの偏りが目立っていたからだ。
子供の頃はそんな偏りはなく、色んなジャンルのゲームを楽しめ、知識も吸収していったものである。
だから、どうしても多くのジャンルを提供していきたかった。

そうして空母決戦の開発途中の段階ながら、日本史を扱うラインの企画が始まる。
源平からのスタートが戦国からになった話しは、作品コンセプトのページで行ったので省略する。
空母決戦の開発では初めてという事もあり、色んな問題が起こった。
その問題を解決すべく、戦ノ国の開発体制をとったのであるが、問題は更に増えた。
組織とは如何とも難しいものである。

-シミュレーションなのかストラテジーなのか-

ことデジタルの分野において「シミュレーション」と「ストラテジー」とは、ジャンルが異なるらしい。
海外では、再現性を求める物がシミュレーションで、勝敗を求める物はストラテジーという事だ。
日本では、ウォーシミュレーションとか、歴史シミュレーション、という呼び方をするので紛らわしい。
特に「戦略級」「作戦級」「戦術級」という言葉に慣れ親しんできた身には、わかり難いものである。
これらを「ストラテジー」「オペレーション」「タクティクス」と置き換えてしまうからだ。

ここでどちらの路線でいくのか、という話しになる。
空母決戦、戦ノ国、とやってきて感じたのは、再現性を求めるシミュレーションは難しいという事だった。
少なくともスタッフ全員が、そのモチーフとゲームに対する価値観を、同じにしていないといけない。
向きと長さを「同じベクトル」で持ち合わせる事が必要となる。
これが思いのほか大変なのだ。
このベクトルが違うと、中途半端な出来になってしまうだろう。
逃げる訳ではないがゲーム性を重視し、ストラテジーの路線で行こう、とした。

ここで今回、リサーチを担当してもらった白浜わたる氏の出番となる。
ゲーム内の武士団の名称を見てもらうと分るが、何処からデータをもってきたのだろう。
こと源平時代となると、こうしたデータは極端に少なく、地域によっては全く無いとも言える。
鎌倉時代の御家人と言っても、当時の武士団全体からするとほんの一部であり、その全体像は分らない。
そうした中での作業である。苦しい作業の中で、思い入れも強くなっていったであろう。
ストラテジー路線であるこのゲームを、歴史の再現性を求め、最後まで尽力して頂く事となる。

-表現力の改善-

弊社のゲームはスクリーンショットで損をしている。などと、よく言われる。
色の使い方。空白や時間の使い方。その組み合わせ方。これに色調、明度。
そして重要なのは、目を向けさせる仕掛けと遊び心。
少なくともパッケージゲームである以上、スクリーンショットを見て欲しいと思わせなければダメ。
そうしたアートワークに関する問題点を、耳が痛いほど言われ続けてきた。

今回はそうしたご指摘を受け入れつつ、少しは前進しようという事で、口を挟ませて貰った。
まず「明るい源平」という話しは、作品コンセプトの中で語った。
次に合戦画面などに出てくる台詞機能を加えて貰う。
これまでもプログラム上では計算されている表現を、ユーザーへ伝える表現力が乏しかった。
この反省からである。構造上、後で追加や変更ができる様にとも頼んだ。
先駆け等のイベントや、士気値が変動するシステムとも連動し、少しではあるが改善できた。
またそうした気持ちが伝わったのか、開発側で挙兵する場面へも組み込んで貰っていた。

こうした小さな積み重ねより「チェンジ&チャレンジ」を目指す事となった。
これからも継続していきたい。

-鈴木銀一郎先生のアドバイス-

開発途中、鈴木銀一郎先生とお会いする機会があった。
その場にて、源平のゲームを作っている事で、アドバイスを頂戴できた。
先生曰く「源平のゲームなら一騎討ちがあると良い」「それがあれば源平らしく見える」である。
流石は業界の大御所であり、ど真ん中のストライクをズドンと突いて来るものである。

残念ながら、システムが組みあがっていた頃合であり、平家物語登場の小さな人物が出てこない。
一騎討ちは無理ながら、先駆けなど、源平を彷彿させるイベントを組み込む決心が出来た。
前記の台詞機能との組み合わせである。
鈴木先生のお墨付きという言葉を添えて、開発側へねじ込む理由とした。

-今後の展開など-

発売したばかりで、実はあまり明確な予定はない。
もう少し口上手であるなら、今後の展開など同時発表できるのであるが、暫しお時間を頂きたい。
これまで空母決戦でやってきた事を、戦ノ国でやるターンに入ったばかりでもある。
時間を掛けて練り込んだ方が、良い案になるかもしれない。という勝手な理由もお付けしたい。

空母決戦では、当初から目指していた書籍との組み合わせパッケージという物が漸く実現できた。
歴史とシミュレーションとの組み合わせで、書籍は強いと思っていたからである。
そんな思いから、戦ノ国同様、源平争乱でも小規模ながら特典冊子をお付けした。
源氏が主役の今回のゲームにおいて、予備知識として知っておいて貰いたい情報であるからだ。

この源氏の歴史を知る事で、源平時代の面白さは増していけると感じている。
源氏の歴史に絞り込んだのは、覚えてもらい易くするための絞込みである。
登場勢力と交えて知って頂けると幸いである。

源平はゲームモチーフとして弱いと言われてきたものの、これ迄にも多くの方に応援の言葉を頂き続けた。
源平時代の面白さを知っている方としては、源平ゲームが出ない事がもどかしかったのだろう。
そうした声にも推されて、無事に発売する事となった。
源平争乱期の戦いとは何か、どういう社会システムだったのか、武士団に支持されるとは何か。
こうした所まで踏み込んで頂けると、これまた幸いである。

2011年5月21日、これからも源平時代の研究が進み、この面白い時代をもっと知って貰う事を願う。


関連リンク
源平争乱~将軍への道~
源平争乱作品コンセプト

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SGC別冊Vol.2 源平争乱発売記念号 ご紹介
『SGC別冊Vol.2 源平争乱発売記念号』 とは
『源平争乱初回特典冊子』 とは
『源平争乱初回特典冊子』 とは 6 years ago
-何故かわかり難い源氏の歴史を伝えるために-

今般『源平争乱~将軍への道~』を発売するに至り、初回特典冊子をお付けできる事となった。
当初、企画していたのは2011年3月終わり頃である。
震災の影響などもあって、紙やインクが入りにくかった時期でもあった。
そうした経緯で、マニュアルの印刷を優先する為、最低限の紙を確保してもらい、PDF化を検討していた。

源平のシミュレーションゲームが少ないのは≪源氏の歴史が≫わかり難いからであろう。
しかも、これに平氏の歴史も加わるのである。
当時の事を調べるにも、調べられる史料が限られる所が、戦国との大きな違いでもある。

折角そうした源平の歴史を素材としている以上、ユーザーへ対しても、わかり易い解説書を提供しよう。
そう思っての企画である。

-源氏の歴史は武勇伝内訌の歴史-

源氏の歴史は、まず「武勇伝の歴史」がある。
藤原道長の頃、大江山の酒呑童子を退治した源頼光。
前九年・後三年の役での源義家。
等など、偉大な御先祖さまの偉業がそうである。

また「内訌の歴史」でもある。
叔父が甥を暗殺し、継いだ者が、犯人に仕立てられた別の叔父を討つ。
また兄が弟を襲撃し、親子・兄弟で対決する。
親を討った仇の弟と対する。等など。
こんな歴史の中で育った頼朝の性格は、どうなんだろう。

-無名な登場勢力と英傑たちへ陽を当てる-

そうした事を冊子とし、無名な登場勢力との紐つけを行う事が必要ではないか。
この強い思いがあって、今回の企画となった。

また有名となれない源氏の英傑たちについても、こうした機会にご紹介する事で、陽の目を当てたい思いがあった。
一般に有名でないのは、公的な功績が小さいからで、その為、教科書にも載らないのである。

しかし、中世日本の歴史を綴ってきた「魅力溢れる英傑たち」なのである。
無名であっても、歴史を繋いだり、後世へ対し何からの影響を与えているだろう。
PDFでも良いので、そうした事実を語り、中へ入れてみようという事で進んでいた。

ただ今般、周囲のご好意・ご協力もあり、急遽、印刷できる事となった。
こちらの強い思いが通じたのかも知れない。
そういう事で、16ページではあるがフルカラーとした。

時間があればライター陣にお願いしたい所ではあったが、今回は自筆となった。
源平争乱は開発が順調な事もあり、時間が無い事は喜ばしいのかどうなのか。
時間が無い中、監修して頂いた白浜わたる氏には感謝の限りもない。
機会があれば、もっと大掛かりな本を作ってみたいものである。

2011年4月28日、陽の当たらない歴史や英傑たちへ陽を当ててみたいと思う。

■表紙
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■目次
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関連リンク
源平争乱~将軍への道~

関連記事リンク
『源平争乱~将軍への道~』 とは
『SGC別冊Vol.2 源平争乱発売記念号』 とは
Si-phon Game Club Vol.5 ご紹介 6 years ago
掲載内容
・Si-phon「源平争乱(げんぺいそうらん)~将軍への道~」ご紹介
・源氏とは
・源平コラム(白浜わたる)
・もののふコラム(白浜わたる)
・Si-phon「ゲーム視点から見た空母の戦い」制作ノート
・Si-phon「空母決戦」ご紹介
・国際通信社「日本機動部隊(JWC版)」プレイ風景
・ゲームコラム(徳岡正肇)
・鹿内靖氏のインタビュー
・Si-phon記念パッケージのご紹介

■表紙
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■目次
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■源平争乱-平家打倒の主軸となれ-
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■源平争乱-基本システム-
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■源平争乱-合戦-
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■源平とは-臣籍降下した皇族-
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■源平コラム-源平争乱期の戦争と義経の奇襲-
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■もののふコラム-武門の長=征夷大将軍に必然性はあるか?-
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■ゲーム視点から見た空母の戦い-制作ノート-
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■ゲーム視点から見た空母の戦い-掲載内容-
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■空母決戦-ニイタカヤマの先にあるもの-
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■ご紹介-「日本機動部隊」(国際通信社)-1-
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■ご紹介-「日本機動部隊」(国際通信社)-2-
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■ゲームコラム-生存戦略としての軍隊-
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■インタビュー-鹿内靖「勝負事として面白く歴史の可能性を示す」-
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■ご紹介-「Si-phon記念パック」-
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<関連先リンク>
源平争乱~将軍への道~公式サイト(Si-phon)
ゲーム視点から見た空母の戦い(Si-phon)
コマンドマガジン(国際通信社)


<関連記事リンク>
『ゲーム視点から見た空母の戦い』 とは
作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは
ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは


<お詫びと訂正>
・「ゲーム視点から見た空母の戦い」インタビュー記事ご案内中「大木毅(おおきたけし)」様ご紹介部におきまして間違って「TSUYOSHI OHKI」と印刷してしまいました。申し訳ございません。正しくは「TAKESHI OHKI」でございましてダウンロードコンテンツ分では修正されております。大木様はペンネーム「赤城毅(あかぎつよし)」名にて広く執筆活動をされております。今回の誤表記によりご迷惑をお掛けしました事大変深くお詫び申し上げます。
『ゲーム視点から見た空母の戦い』 とは 6 years ago
―ゲームと歴史という趣味を深めるツールとして―

今般、弊社編集部とコマンドマガジン編集部とのコラボ企画として、空母戦のムック本を制作した。
世に空母戦を扱ったムックなんてものは、幾らでもある。
きっと「今更何出してんだろ」などと、思われる方も多い事だろう。

企画の始まりは『空母決戦』の攻略本を願う、あるユーザーの思いからであった。
だがこの答えには慎重であり続けた。
元から「シミュレーションゲームに攻略本が必要なのか」という疑問を持っていたからである。

ゲームとは、繋がりのある歴史の一部を切り取りデザインした世界。そう思っている。
そのゲームの世界に、歴史の再現性を求めたり、想像するifの世界を模演すること。
それがシミュレーションゲームの面白さであり、演じれる事が楽しさだと感じている。

こうした思いから、本来、シミュレーションゲームと歴史とは、相性のよい趣味であると考えていた。
だが昨今の状況から、そうした思いが薄れてしまった。
この奇妙な感覚は何所から生まれてきたのだろうか。

―趣味の間口とは―

子供の頃やってた『日本機動部隊TASKFORCE』であるが、購入したのは衝動買いに近かった。
その時点の空母の知識はと言うと、プラモデルのパッケージ絵程度の知識しか無い。
それとアニメ宇宙戦艦ヤマトの「三段空母」「戦闘空母」など。
つまり、購入した時点では空母戦の知識など、全く無かった。
それでも遊べて、そこから空母戦の事を色々と勉強できたし、趣味の世界も広がっていく。

特に今のPCシミュレーションゲームで、そういう製品があるのだろうか。
逆にプレイする為に、多くの知識がないとプレイできなかったり、多大な時間がかかったり。
これでは、とても趣味の間口だとは言えない。
そうした強い思いから『空母決戦』は開発されたのである。

また本の世界ではどうなのだろう。
一時は空母戦のムック本も大量に出ていたが、やはりシリーズ化すると専門色が強くなっていく。
読み物としてやりつくし、3DのCGビジュアルもやりつくし、停滞期に入ったのであろうか。
最近は目にする事も少なくなった。

では、そうした世界で何ができるのか。
現在の状況が行き詰まっているとすれば、それは「出版側が語りかけるレポート」の世界である。
三年間の戦い、10幾つの空母戦、数十隻の空母。
語れる事がこれだけなので、出版版が語る事は限られるし、それは仕方がない事だろう。

だが趣味の世界として、空母戦を知ってもらう為に伝える事はまだ残っていないか。
それはシミュレーションゲームが本来持っている「ユーザーが感じるレビュー」の世界である。
ゲームを通してその戦いで何が起こったか、何ができたのか、どのような結果が起こり得るのか。
この事をお伝えしたくて『ゲーム視点から見た空母の戦い~空母決戦と日本機動部隊~』は作られた。

―空母決戦の記事―

一応、空母決戦のページでは攻略本としてご紹介している。
内容は、戦史紹介のページがあり、空母決戦の攻略ページがあり、日本機動部隊のページあり。
ただの攻略本にあらず。ちゃんとした空母戦を楽しむ本として制作している。

これは値段をつける以上、並んだデータ集だとか、CGと登場兵器の一覧にしたくなかったからである。
そんな自社製品データだけの世界を本にするくらいなら、サイトで公開するなりすればよい。
もしくは最初っから、パッケージの中に入れておけばよい。
空母決戦トラトラ虎の巻」はそうした思いから、印刷物を無料配布してwebでの公開もした。

そうした微妙な思いから空母決戦のページは、自分では書けないと思い、徳岡正肇氏へお願いした。
特にシミュレーション系のゲームライターとして、著名な氏の記事に価値があると思ったからだ。
という事で、大勝利への攻略方法は、徳岡流攻略記事となっている。

また、お金を払ってもらったユーザーに対し失礼にあたらない様、未公開データも付いている。
空母決戦では、敵の艦隊の位置がランダムで変化するのであるが、その登場位置の公開である。
また敵味方の戦力も公開した。
これはあるシナリオでは、敵の空母の数もランダムで変わるので、その証明の為でもある。

―日本機動部隊の記事―

日本機動部隊のページでは、弊社の商材ではないので、特に製品のコンセプトと違わぬよう注意した。
この製品の中で一番重要だと感じているのは、マニュアル中の「戦略と戦術」というページである。
これがあったが為に、子供時代、ズブのド素人でもプレイできたし、そこから趣味の世界も広がった。
その原点はマニュアルの中にあるこの章だと思っている。よってこの補填を重視した。

日本機動部隊のシナリオは主に2つの性格を持つ。
1つは前半のシナリオにある、ルールを覚えていく為のチュートリアル的シナリオ。
もう1つは、空母戦を楽しむ対戦シナリオである。

前者は、ゲームのシステムなどのご紹介。後者は作戦を立てる楽しみ方を掲載する方法を取った。
つまりこの書の本筋は、この後者の方とも言える。
作戦を立てる楽しみ方より、さらにゲームの世界と、歴史の世界を深めて欲しいのだ。
そうしたツールとして、コマンドマガジン編集部との合意が出来、この書が実現できたのである。

―最高の制作スタッフ陣の下に完成―

また本企画の実現にあたり、元『シミュレイター』誌の制作陣の多大なるご協力も頂戴した。
日本機動部隊のデザイナーである鈴木銀一郎氏。元編集長の鹿内靖氏。鉄十字の足跡の大木毅氏。
このご三方のインタビュー記事も掲載できる事となり感謝の限りである。

鹿内氏と大木氏は、共著で『鉄十字の軌跡』を昨年出されたゴールデンコンビである。
それに現在コマンドマガジン編集長である中黒靖氏。
シミュレーションと歴史を語る上で、最高のスタッフ陣にて編集作業ができた。

2011年4月9日、これよりシミュレーションゲームと歴史を趣味とする方が増える事を願う。


<ご購入>


<関連先リンク>
ゲーム視点から見た空母の戦い(Si-phon)
空母決戦(Si-phon)
日本機動部隊JWC版(国際通信社)
空母決戦シナリオ追加キャンペーン情報(Si-phon)

<関連記事リンク>
作歴史とゲームという趣味 について
空母戦の魅力 について
作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは
ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは
空母決戦 勝利条件トラトラ虎の巻 ご紹介
『鉄十字の軌跡』 とは
ゲームとスポーツと人生 について 6 years ago
-ゲームの概念とは-

元来、ゲームとスポーツの語源は同じものらしい。
ドイツ語とラテン語にそれらはあるという事だ。
ただしこれらを示す、明確な日本語は存在しないだろう。

数々の外来日本語を創作してくれた福沢諭吉も、この言葉は作れなかった。
少なくとも娯楽や運動は、これらを示す日本語として適当ではない。
ではこれらの概念とは、一体どのようなものなのだろう。

ゲームとスポーツに共通するのは、お互い、決められたルールの下で競い合う。
そして重要なのは、その結果を得る事である。これは勝敗という結果だ。

-どうして結果が重要なのか-

スポーツの世界から、特に負けた時に良く聞こえてくる言葉がある。
がんばったんだから」「参加する事に意義がある」「勝敗の結果はどうでも良い」等の類のものだ。
だがこれはどうかと思う。
恐らく、半分は当たっているが、半分は間違っている。

どういう事なのかというと、見解の受け止め方によって、間逆の影響を与えてしまうと感じるからだ。
勝敗の重要性、それまでの過程の困難さを理解している方にとっては、正しい使われ方と言える。
だが、がんばったんだから~に続かれると、ぐぅの音も出ない。
この言葉の先にあるのは、何なのだろうと思うからだ。

工夫する努力が大切-

ゲームとスポーツの世界は「勝つから楽しい、負けるから悔しい」そんな単純な世界なのだろうか。
勝負という目標があるからこそ、勝つための「工夫と努力」を行うのである。
その目標がなければ、それはただの時間つぶしに過ぎない。
確かに単なる時間つぶしと考える人にとっては、ゲームやスポーツは娯楽や運動なのだろう。

みんなで仲良く一等賞」等という教育発想も、こういう所から生まれていると思われる。
だが目標がない世界において、果たして工夫や努力という発想が生まれるのであろうか。
勝ちたい、負けたくない、という気持ち以前に、工夫する努力の方が重要なのだ。

-人生の縮図としての利用-

勝負に勝つ事から生じるものは意外と少ない。一時的な満足感くらいである。
だが、負ける悔しさから生じるものは、これこそ多いだろう。
その反省点から次へ繋がるものがあるからだ。
そして、その積み重ねが「経験となり強さとなる」のである。

ここへ「人生の縮図としての世界」がないだろうか。
負ける事が可哀想だから、皆へ仲良く一等賞を与える教育。そこかは何も生まれない。
勝ちたい、負けたくない、という感情から、次への繋げ方を感じ取る事が重要なのだ。

弊社のゲームにおいて、コアなユーザーからプレイ時間が短すぎる。とお叱りを受ける事がある。
これは基本設計の一つに、リロードゲームではなくリプレイゲームを目指している事からきている。

プレイ中、どうしても自分に都合の悪い判定結果が出る事がある。
たからといって、そこでリロードしてプレイするのではなく、リプレイ時に経験則として反映して欲しい。
結果を知る事で次への繋げ方を研究して欲しい。そうした気持ちからの仕様なのである。

よってプレイ時間を何時間にするかは、一番最初に決定する。
思いつく仕様を押し込んだ結果、一回のプレイ時間がとてつもない時間になる事は避けている。

日本では未だに、いい歳した大人がゲームをしていると、鼻で笑う頭の堅い方々も多い。
そうした雰囲気から、この趣味を表に出す事を躊躇う方もいるかも知れない。
だがここまで展開してきたように、人生の縮図を表したコンテンツとして、また語源もスポーツと変わらない。
そして歴史と繋がる趣味であり、被害を与える事なくその再現性や、可能性を模索できるツールでもある。
こうした事からゲームという趣味は、大人であっても、もっと堂々と表現して良いのではないだろうかと思う。

2011年3月21日、関東東北大震災の復旧活動のニュースと共に、諦めない大切さを伝えたい。
歴史とゲームという趣味 について 6 years ago
―趣味という贅沢な空間―

歴史へ興味を持つ人は多いだろう。その事を趣味としている人も多いと思う。
自ら調べる事を趣味としている人もいれば、人が調べまとめた書物を手にする人もいる。
歴史が好き、歴史が趣味と言っても、その実態は様々である。

またゲームを趣味としている人も多いだろう。ゲームのジャンルも色々ある。
そんなジャンルの中に、ウォー・シミュレーションゲームがある。
数度に渡りこのブームを経験しているが、今は下火な時期だと実感している。
それでも趣味としている人が絶滅している訳ではない。

そうした趣味に過ごす時間とは、人生の中で最も贅沢な時間なのだと思う。
そんな贅沢な時間を過ごせる空間にいる事からこそ、幸せな気分になれるのだろう。
だがその幸せな空間であるからか、少しでも雰囲気が壊れる=意見が違うと、何か言いたくなる。

―年月が作り出す敷居と壁―

新しい趣味という空間を、皆で形成していく間は、皆の目線も近く、見えている視野も似ているものだ。
ところがそんな空間でも年月が経つと、色んな方向、色んな高さが生じてくる。
敷居が高くなっていく原因はこんな所にあるのだろう。そう感じている。

もちろん、強い好奇心があれば乗り越えられる敷居なのだろうが、あまりに高い壁であると挫折する。
長く続けていると「飽き」に乗じて止めたりするのだが、これとは別に「諦め」という要素がある。
間口へ近づいた時に、敷居を跨げず諦める。復帰しようとした時に、壁を感じて諦める。
そうしてその趣味を形成している全体の大きさ=市場は、次第に縮小していくのではないだろうか。

―相性の良い趣味同士への障害―

前置きが長くなったが、話しを戻そう。
本来、歴史とシミュレーションゲームとは、とても相性の良い趣味である。そう強く感じてきた。
しかしながら現在、この両者は「共に敷居の高い趣味」となってはいないだろうか。

歴史もののムックも、コアなターゲット向けのものばかりになり、興味を持ち始めた人には敷居が高い。
ここでの敷居とは、あらかじめこの程度の事は知っているはずである、という書き手の目線の事である。
かといって著名な作家陣の手を使い、大変読みやすく編集した雑誌などは、その内容に疑問が多い。
ここでの疑問とは、流行のウケだけを狙っている「あ…ああ…そうなの…」「またこの話題…」の類である。
この環境下で、興味を持ち始めた方が、その趣味を広げていけるのだろうか。

ゲームにおいても同様で、すごい予備知識がないと遊べなかったり、作業量を要求したりするものが増えた。
これだと、それについていける人は限られてくるだろう。
また最近増えてきている時間つぶし系の単純なもの。これはこれでアリなのだが、世界は広がらない。
そんな思いからの『空母決戦』だったのだが、嬉しい事に、久しぶりに復帰できたとのご連絡も頂いている。
同時に、こんな機能が欲しい、こういう風に変更して欲しい、というご要望も届いている。

―趣味の楽しみ方をどう伝えるか―

何故こんな話しなのかというと、趣味を広げていくには、この事が原点ではないかと感じているからだ。
つまり次はこうしたい、ああしたいという余裕が生まれる事から、次へ繋がっていく楽しさも生まれる。
作戦を立てる楽しみが、歴史へのifを体験する楽しみへ。そして、これを反復する行動が趣味を深めていく。
そういう楽しみを生む源泉は、「考えさせる事ができるコンテンツ」を用意できるか、だと思っている。
反射的=機械的な作業では深まらない。

たまたま弊社のサイフォン編集部と、コマンドマガジン編集部とで、共に空母戦のゲームをそろえていた。
空母決戦』と『日本機動部隊』がそうなのであるが、これを使って作戦を立てる楽しみをお伝したい。
そういう書籍を出せないか。その答えを出すために、難しくなる垣根は無かった。

その最初の答えが、今回発表の『ゲーム視点から見た空母の戦い~空母決戦と日本機動部隊~』である。
発表の形として、たてまえ上、『空母決戦』の攻略本としている。
だが、内容は戦史の解説と、ゲームの攻略、そして、最大のウリは作戦を立てる楽しみ方をどう伝えるか。
この点に注力して制作している。
その事から、歴史とシミュレーションゲームは相性の良い趣味である事をお伝えしていきたい。

2011年3月10日、まずは空母の戦いという共通点をモチーフに、そこから広がる面白さへ挑戦してみる。


<関連先リンク>
ゲーム視点から見た空母の戦い(Si-phon)
空母決戦(Si-phon)
日本機動部隊JWC版(国際通信社)
空母決戦シナリオ追加キャンペーン情報(Si-phon)


<関連記事リンク>
空母戦の魅力 について
作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは
ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは
空母戦の魅力 について 6 years ago
-ビジュアルとしての空母-

そもそも空母の魅力とはどういう所なのだろう。
空母決戦』を出した身でありながら、空母への格好良さを感じない。
のっぺりした甲板に、攻撃に弱いイメージ、そして米軍のものはズングリしている。
少なくとも、日本軍の重巡やドイツの戦艦のフォルムの方が格好良い。そう感じる。

しかしそこへ「エレベーターというギミック」が加わり、「航空機が意気揚々」と並んだりすると一変。
途端に魅力的な存在へ変貌する。
機動部隊という、艦隊として編成された特別チームの存在も、それに拍車を掛けるだろう。

子供の頃、宇宙戦艦ヤマトという漫画・アニメがあった。
その中でも空母は出てくるのだが、三段空母であったり、戦闘空母という装飾付きのものであった。
恐らくそういう装飾がないと、敵役とはいえ、ただのひ弱な物体にしか映し出せなかったのだろう。
そして子供心にとってこのアニメの存在は大きく、空母の存在を知る事となり、知識を得ていく事となる。

-ボードゲームの世界へ-

冷戦期、ボードゲームが全盛期の頃、この空母の戦いを扱ったゲームも出され運良く触る事ができた。
とはいっても、同級生がやってるのはガンダムなど、アニメキャラ系が多かった。そういう世代である。
ミリタリー系というか、第二次世界大戦ものをやるとなると、年上の人が相手であり敷居が高い。
購入するには、それなりに勇気が必要だった。

当時は模型店や百貨店でも、箱詰めされたボードゲームが普通に売られていた。
何の時だったか忘れたのだが、多分、ガンプラを買いに行って、買えなかった時なのかもしれない。
エポックの『日本機動部隊TASKFORCE』を購入する事となる。当時2700円だった。

その時、空母へ興味の薄い少年が手にしたのは、「日本機動部隊」というキーワードに惹かれたのだろう。
これには「連合艦隊」と同クラスの響きを感じた。戦艦の次は空母の時代なんだ、みたいな。
流行があればそれは既に時代遅れであり、次の目新しい「流行=ホビー」を探す事が斬新だと思う年頃である。
買ったその日にはユニットを切り、ルールブックを読みながら、ソロプレイシナリオを始めた。

-空母戦ゲームの魅力とは-

空母戦のゲームをやった事がない方から、よく聞かれる質問である。
真珠湾やミッドウェーの戦史映画の影響からか、航空機での索敵や攻撃、運命の5分といった兵装換装など、
空母戦ゲームをやった事がないと、そうしたものだと思われ易い。

だがどうなのだろう。
少なくとも、索敵といった宝探し的要素ではないと思うし、攻撃といってもパイロットを演じてる訳ではない。
ならば兵装の換装かというと、これはミッドウェーでの負け要素に過ぎない。こんなものやるのが楽しいのか。

勿論、楽しさのポイントは人それぞれなのであろうが、いくつかゲームをやってきて感じた事がある。
それは「航空隊のローテーション管理」という要素。これが勝負の鍵を握り、この読み合いがキモなのだ。
日本機動部隊TASKFORCE』では、航空機が中隊単位でユニット化されている。
また甲板の制限や、ローテーションの枠など、これがやはり絶妙のバランスであった。視認性も良い。
よく言われる、ステップアップ式のルールが受けただけでは無いのだ。

因みにもっと詳細にデータ化したゲームでは、セットアップだけで疲れたり、索敵だけで気持ち悪くなったり、
またその反省からか、ルールも絞り、飛行隊を小隊単位にし、よりリアルに見せようとしたシリーズもあった。
だが、珊瑚海や南太平洋の結果に影響を受け過ぎたのか、空母は沈まず、飛行隊は半分づつ消耗する。
あまりにシミュレート路線に振り過ぎてるその場に、ゲームとしての面白さは無かった。

そう考えた時「援護や攻撃にどれだけの戦力を振り分ける」のか、その苦悩が楽しみなんだろう。
こう感じている。
空母決戦』も、もっとそうした所へフォーカスすべきなのかも知れない。今後の課題でもある。

-空母決戦と日本機動部隊から-

空母決戦の制作スタッフも、かつては日本機動部隊をプレイしていた。
また、その空母決戦を購入して頂いているユーザーの多くも、かつて日本機動部隊をプレイしていたという。
そういうご連絡を意外と多く頂き、世の中の狭いものだと思いつつ、ああ、やはり同じ日本人なんだと感じる。

こうした熱いユーザーに支えられているからこそ、『空母決戦』も長く店頭に並べて頂いている製品となり、
日本機動部隊』もJWC版として、コマンドマガジン編集部の手により再販して頂いている。
このタイミングで何か残したい、また、これまでの経験を伝えたい。
その思いから今般、空母戦の本を作成する事となった。

2011年3月6日、初代・空母決戦の発売から3年目を迎えて、これまでの思いを放ってみる。


<関連先リンク>
ゲーム視点から見た空母の戦い(Si-phon)
空母決戦(Si-phon)
日本機動部隊JWC版(国際通信社)
空母決戦シナリオ追加キャンペーン情報(Si-phon)


<関連記事リンク>
作歴史とゲームという趣味 について
作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは
ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは
空母決戦シナリオ追加キャンペーン とは
Si-phon Game Club Vol.4 ご紹介 6 years ago
掲載内容
・Si-phon「源平争乱(げんぺいそうらん)~将軍への道~」ご紹介
・源平コラム(白浜わたる)
・もののふコラム(白浜わたる)
・Si-phon「空母決戦」シナリオ追加キャンペーン
・Si-phon「戦ノ国(せんのくに)~もののふ絵巻~」ご紹介
・国際通信社「ウォーゲーム日本史第7号 長篠・設楽原合戦」プレイ風景
・ゲームコラム(徳岡正肇)
・松本隆一氏のインタビュー
・4Gamer.netのご紹介

■表紙
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■目次
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■源平争乱-源平時代の世界観-
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■源平コラム-頼朝に東国独立は可能だったか?-
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■もののふコラム-佐竹家の家紋の由来とは?-
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■空母決戦-シナリオ追加キャンペーン-1-
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■空母決戦-シナリオ追加キャンペーン-2-
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■戦ノ国-レポート-1-
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■戦ノ国-レポート-2-
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■戦ノ国-アップデート情報-
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■戦ノ国-プレイ情報-
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■ご紹介-「長篠・設楽原合戦」(国際通信社)-1-
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■ご紹介-「長篠・設楽原合戦」(国際通信社)-2-
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■ゲームコラム-勝者のない世界-
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■インタビュー-松本隆一「大人はPCでシミュレーション」-
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■ご紹介-「4Gamer.net」(aetas社)-
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関連先リンク
源平争乱~将軍への道~公式サイト(Si-phon)
空母決戦シナリオ追加キャンペーン情報(Si-phon))
戦ノ国~もののふ絵巻~公式サイト(Si-phon)
コマンドマガジン(国際通信社)
4Gamer.net(aetas社)


関連記事リンク
空母決戦シナリオ追加キャンペーン とは
『ウォーゲーム日本史第7号長篠・設楽原合戦』 とは
『コマンドマガジン』 とは


お詫び
・印刷物P27(2段6行目)に記載ミスがございました。DL版は修正しています。
  誤 ColorClassicII
  正 MacintoshII
・印刷物P28(1段17行目)に記載ミスがございました。DL版は修正しています。
  誤 Starcraft2
  正 StarCraft2
以上の表記ミス、まことに申し訳ございません。
ダウンロード分のコンテンツでは修正しております。
今後はこの様な事が発生しない様、校正チェックを十分行う様にいたします。
『戦ノ国~もののふ絵巻~』 とは 6 years ago
-パワーゲームからの脱却-

2010年9月30日発売の『戦ノ国~もののふ絵巻~』であるが、スタートしたのは2008年11月である。
初版『空母決戦』の発売日が2009年3月なので、その前からのスタートなのだ。
という所で、開発コンセプトにおいては、似通っている部分も多い。

まずゲームは好きだが、現在やめてしまっている方々の「趣味への復帰」を促せるものである事。
そして歴史とシミュレーションが好きである方々へ、「なるほど」と思わせる事。
この両立を目指してスタートした。

自身、かつては光栄さんの『歴史三部作』をプレイして育った。
最初に買った『信長の野望』など、なんとカセットテープ版だった。ロードにも、凄く時間がかかったものである。
当時のバージョンは「オダ」と「タケダ」の2つの選択肢だったので、武田プレイを楽しませてもらった。
ハードの問題などから制限も多かったのだが、長いロードの待ち時間さえも、ワクワクしたものだ。

そして年々ハードウェアは進化し、それに比例する事、ソフトウェアも進化していく。
制限が開放される事からくる「仕様の進化」に、ユーザー側のワクワク感も増大する。
この頃は、たとえプレイに数十時間かかろうが、面倒なルールが追加されようが、全く気にならない。
だが社会へ出ると、ゲームへ費やせる時間は、次第に無くなっていくものである。

それでも新作が出ると、何時かはプレイするだろうと思い、ついつい購入してしまう。
チョイプレイくらいは、やれる事もある。
しかし、マシンスペックが追いつかなくなると、起動すらままならない。
購入さえも断念する日がやってきて、悲しい出来事であるが、趣味で無くなる日がやってくる。
社会人の趣味として復活させたい思いもあり、今回も『空母決戦』同様、ここへ手を入れる事となる。

-偉大な先人の軌跡-

光栄さんが続けていた『歴史三部作』へ話しを戻そう。国内SLG市場を開拓してきた、素晴らしいシリーズである。
きっと現在も根強いファンがいて、シリーズを支えてくれている事だろう。

分かり易いコマンド体系と、そのコマンドを選択した時のリアクションの処理。
これは、他の何所にも追随を許さない、素晴らしい出来であった。
他社の製品にて、コマンドポイントを消費するシステムを使ったものがあった。
確かに凝ったシステムなのだが、そのポイント内で何がどれだけ可能なのか、それが先読み出来る様にならないと、
そのゲームの楽しさが全く伝わらず、ただ面倒なだけのゲームに終わってしまったユーザーも多い。
こうした基本的な処理に対しても、易しく、手の込んでいた事が、光栄がユーザーの心を掴んでいった理由なのだろう。

もう一つ、光栄さんの素晴らしい所がある。
長くシリーズを続けていても、ユーザーのプレイスタイルは継続させているのだ。
新しく出たシリーズ新作でも、ちゃんと前回までのプレイ知識が役に立つのである。

信長の野望』なる偉大なシリーズで例を出してみる。
国が増え、人材、城、道具、軍団、道など、フレーバーとなる要素が次々と追加されていく。
しかしながら、フレーバーへはちゃんとその役割を与えた上で、基本たるプレイスタイルはシリーズ通して維持している。
この姿勢を維持する事は、実は、凄い事だと思う。通常、ここが結構ブレるものなのだ。

ただし、このプレイスタイルがブレない事は、安心感と同時に「マンネリ感」をも持ち合わせてしまう。
その感情を打ち消す為にも、フレーバーの役割は大きくなっていってるのだろう。

-新しい戦国観の導入-

そういった、偉大なシリーズが君臨するジャンルへ進出する時に、何を行うべきであろう。
まずは、現在のゲーム界を「支配している戦国観」をどうするのか。そこが問題である。

現在の戦国ゲーム観を支配しいるのは、主に戦国時代としては特殊な「織田家のシステム」に乗っかったものである。
(この件については長くなるのでまたの機会に申し上げたい)
更にいうと、30年ほど前の学術に基づいていて、浸透しているが為に抜け出せない「ジレンマ」もあるのだろう。
何故なら、最新の学術を持ち込んだとして、ゲームとしての面白さに繋がるとは限らない。
最新の学術というのは、江戸時代の講談以来、築きあげてきた面白さの世界を奪うものも多いのだ。

-戦ノ国が目指したもの-

今回、戦ノ国で行う「パワーゲームからの脱却」であるが、これは重厚長大だけを指すのではない。
従来、この世界を支配してきた「お金と兵力で押し切るだけの世界観」からの脱却も目指している。

まずは「外交」という所へフォーカスを持っていった。
合戦」はあくまで外交の切り札の1つ、という認識である。
戦闘を続けると、その国が疲弊するのは明白なのであるが、ここへ目を向けたゲームにしたかった。
勿論、いばらの道であるが、合戦のみで戦国を終わらせる事も可能ではある。

また、それまでのプレイ結果をどういった形で終わらせ、そして表現するか。
まず「戦国時代の終わらせ方」について、必ずしも、全てのマップを制圧する必要性を無くした。
どうせ最後の方は、面倒な作業だからある。この縛りを無くす事で、様々な統一方法を持ち込めた。

従来のゲームの様に、全ての国を武力制圧してもよいし、同盟を駆使して早期に統一してもよい。
また、室町幕府の再興を助ける様なプレイスタイルも可能であるし、片田舎でコソコソ過ごしてもよい。
という所で、たとえ覇者とならなくても、プレイを終える事をも可能とした。

これら、様々なプレイスタイルの結果の表現として、「もののふ年表システム」をご用意する事となる。
この年表には、時系列にプレイした戦記が載るのであるが、その後の世界もご用意している。
特に権力者としてより、敗者の部類で終わる場合において、より様々なエピソードが入っている。
長いゲームにありがちな「勝てないからリセット」しなくとも、遊べる要素にしたつもりだ。

金と兵糧を併せ持つ「」という概念をゲームに用いているのであるが、シビアな設定とした。
消耗した兵力の回復も同様、シビアな設定である。
戦争するにはお金がかかるし、国も疲弊する。簡単には回復できない。という表現だ。

また「国の安定度=掌握度という概念」を「治安」という表現で表した。
国を取ったから、その国全て100%を支配している訳ではない、という表現である。
支配できていないという事は、その地の「地侍」が敵につくかも知れないし、兵の「動員率」も落ちるのである。

それと「外交」していく上で、従来「同盟破棄」時に発生していたペナルティを軽減した。
武田義信事件が、モロに影響してのペナルティという反映だったのだろうが、実際どうだったのか。
このペナルティを軽減する事で、より流動的な展開と、強いては戦国らしさを出したかった。

更に「内政」システムは、できるだけ簡素にした。
直営国が増えてると、効率が悪くなる。有名な戦国大名といえど、スーパーマンではない表現だ。

などとこれまで、あまり「目を向けられなかった戦国観」の部分へも、光を当てたつもりである。
表現方法が地味である感は否めないのだが、こういうゲームが、世に出されたという事をアピールしたい。


2010年9月30日、周囲の多大なお励ましの中、戦ノ国が発売された事の記念として。


関連リンク
戦ノ国~もののふ絵巻~

関連記事リンク
Si-phon Game Club 別冊 戦ノ国発売記念号 ご紹介
『Si-phonGameClub別冊戦ノ国発売記念号』 とは

お取り扱い記事
2010年09月30日4Gamer.net様
2010年10月14日4Gamer.net様(徳岡正肇様レビュー記事)
長篠の合戦 について 6 years ago
-長篠の合戦イメージ-

一般に『長篠の合戦』というと、三段に並んだ、織田三千挺の鉄砲隊が、武田騎馬軍団をバッタバッタと倒していく、
そういうイメージが強いのではないだろうか。
これは、江戸時代の講談を元に、明治以降、急速に広がっていったイメージである。

だが近年、三段構えの鉄砲隊も、三千という鉄砲の数も、武田の騎馬軍団も、現実的では無いという論が強い。
しかしながら確固たる証拠が出ない為に、既に浸透しているイメージ像を崩すのは、簡単な事ではない。
様々な解説本があるにも関わらず、曖昧な表現が多いのも、この為なのだろう。
先日発売された『ウォーゲーム日本史第7号長篠・設楽原合戦』も、この問題に切り込んでいる。

-諏訪四郎勝頼像-

武田信玄の跡を継いだのは、四郎勝頼である。
長男で嫡男でもあった太郎義信が、廃嫡させられた事により、後継ぎとされたのは有名な話しだ。
だが、後継ぎとはされたものの、正式な後継ぎは子の信勝であり、勝頼はその後見人だという。
信玄が勝頼を正式な武田家の後継ぎとせず、その上、様々な制約を課したのは何故だろうか。

太郎義信は、甲斐源氏の棟梁として、武田の後継ぎとして、その為の教育を受けて育った。
対して四郎勝頼は、諏訪を継ぐ者として育てられた。
この「諏訪という特殊な後継ぎ」である事が、大きく影響していると思われる。

諏訪は神官でもある。武家とは違った側面から、人心を掌握している。よって信玄も、この点には慎重だった。
勝頼はそうした背景の下、諏訪を継ぐ事により、甲斐・武田家を支えるという教育を受けて育つ。
また諏訪の人々へ対しても、単に武田に侵略されたのではない、というアピールは重要であった。

なので信玄の死後、武田を継いだ後も、諏訪を捨てる訳にはいかなかったのである。
初めからそうして育てられてた勝頼は、この点に関してはちゃんと理解していたと思われる。
名を変える事に何ら抵抗が無い時代、立場が変わっても名を変えなかった理由は、これなのではないだろうか。

諏訪四郎として武田軍団の指揮を執行し、己の欲も表に出さない。
そうした人生を苦にしない人物。それが四郎勝頼像ではないのだろうか。周囲もこの事を理解していたのであろう。

-長篠の俗説と憶測-

話しは進んで、いざ長篠である。経緯は省略する。
この戦いについては、現在なお研究中の段階であり、憶測からの説も多い。ここでもそうする事とする。

一般に勝頼の敗因は、一門衆や主将=老臣たちとの対立が続き、決戦に臨んだ事が敗因の1つといわれる。
これは、武田信廉、武田信豊、穴山信君など、一門衆の多くが生き残ったのに対して、信玄公以来の老臣たちが、
挙って戦死している点からきているのだろう。そして「甲陽軍鑑」である。

この合戦において、一門衆が多く生き残った事は、勝頼を見下していた、戦意が低かった、という意見へ繋がっており、
老臣たちが多く戦死している事が、誡め的な意味合い、へ繋がっているのだろうか。
そういう書かれ方をよく目にする。

子供の頃読んだ漫画で、原作:新田次郎、画:横山光輝の「武田勝頼」なるものがあった。
ここでは穴山信君が、ちょっと「目先の効く悪役」として描かれていた記憶がある。それを抑えられない一門衆なども。
コミック漫画ながら、子供心に対し、大きな衝撃を与えられた。

一門衆のこうしたイメージは、後の武田家滅亡時における、急速な崩壊劇などが大きく影響しているのだろう。
だが、長篠の合戦へ挑んだ時点での組織を、滅亡時のものと混同すると「見誤る要素」も多い。
決戦時までの武田の軍団は、まだまだ強力な組織として機能していた、と思えるからだ。

-撤退戦の失敗-

合戦に臨むにあたり、織田側が、武田軍を恐れていたのは事実であろう。
諸説あるが、武田の約倍の兵力で臨んでいるにもかかわらず、長篠城の救援ではなく、ふた山離れた地に布陣し、
武田主軍を誘き出す。という事は、戦力の分散を狙っているのである。
しかも小川と田を挟んだ地に、馬防柵として有名な「陣地」まで構築している。
ある程度の長期戦も狙い、兵糧が尽きて、敵が引き上げていく事も視野に入れていたのであろう。

但し、大量の鉄砲隊を率いていたのは、決戦に到った場合の備えであったと思われる。
二手三手、別の手を用意しているのは、手強い敵に対し、周到に準備している証でもある。

梅雨明けを計算して、その日に武田を引きずり出した、という説もある。
だがこれは、結果から作られた都合のよい話しではないだろうか。
長期戦を見計らい、天候により、織田の長槍隊、鉄砲隊、双方で対処できる布陣だと感じるからだ。

結果的に武田軍は攻撃を開始するが、やはり想像以上に被害が大きい。
勝頼は、これまでの織田の行動から察して、織田の動きは鈍いと判断し「撤退を決意」する。
ここで難しい殿役は、両翼に位置している、歴戦の主将たちの役目である。
確かに付き人が犠牲になる事はあるが、通常、主将たちを逃す為に、一門衆が殿を務めるなど、あまり聞かない。
能力値の高いユニットを逃がす為、低いユニットを犠牲にする事は「ゲーム的発想」なのである。現実にはそぐわない。

-誰も処分されない理由とは-

つまり「勝頼が撤退を決意」したので、一門衆は撤退を開始した。と判断する。
初めに撤退した隊が、さっさと撤退しないと、後続の隊は撤退できない。一門衆に被害が少ないのはこの為である。
三増峠のような戦いは想定していないのだ。
ここで織田軍の追撃が始まる。被害が増し、殿を務めた主将たちは討ち取られた。

殿の隊は、勝頼と一門衆を逃す為の決死隊だったに違いない。織田の被害もこの時多く出る。
追撃戦が中半端に終わったのもこの為だろう。と、そう思いたい。
被害が予想以上に大きいと、お互い、相手を大きく見積もりがちになる。近年出てきた例ではノモンハンがそうだろう。

これら一連の流れが、結果と人間関係を中心に「甲陽軍鑑」へ綴られた。
敗戦の原因を勝頼ではなく、一門衆の誰かに落ち着かせたい。その一心があったのかもしれない。
高坂昌信によって、一門衆への処分案が出されたそうであるが、勝頼は処分案を実行しなかった。
そもそも諏訪四郎として育てられた勝頼に、一門の誰かに責任を押し付ける等という、卑怯な選択肢は無かったのである。

-金の切れ目が縁の切れ目-

信玄時代から続く遠征の費用もあってか、勝頼の時代になると財政は苦しくなったという。
やはり大軍を率いて続ける遠征のツケは大きい。それでも信玄の頃は、得るものも大きかった。
国取りという戦略下の行動でもあり、北条との戦いも、後の牽制になった事は大きな成果であるからだ。
だが勝頼の戦略は、決して国取りではなく、城取りに終始している。
これは費用対効果という面において、大部隊での遠征では、かなり効率が悪い行動なのだ。

戦ノ国初回特典冊子』にて、白浜氏が「土地の所有権」という問題に視点を置いて展開している。
自分達が所有している土地の所有を、誰が認め保障してくれるのか、という現実的な問題だ。
確かに長篠までは、武田の軍団員を保障する人は、武田の棟梁であった。目立つ事に先方衆の奮戦がある。
だが残念ながら、長篠の敗戦によってこれが崩れ去った。

老獪な人物ほど、当然の行動として、新たに身を保障してくれる勢力を探すものである。
武田家滅亡時のイメージを以って、信玄死後から引きずっている問題だと考えるのは、いささか問題ではないだろうか。

2010年9月22日、自身、持っていた疑問を投げかけてみる。


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『ウォーゲーム日本史第7号長篠・設楽原合戦』 とは
『戦ノ国初回特典冊子』 とは
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