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こまあぷ『桶狭間の戦い-Drive on okehazama-』 とは 2 years ago
-難しい合戦をゲーム化-

桶狭間の戦いは、戦国時代でも有名な合戦のひとつである。
1560年春、今川義元が尾張で織田信長に討取られた合戦だ。
ここで勢い付いた信長は、その後も勢力を拡大していく事となる。
また三河で独立した松平元康は、後に徳川家康となり江戸幕府を開く。
そうした時代の節目とも言える重要な戦いだと言えるだろう。

だが、そうした有名な戦いであるものの、残された史料は実に少ない。
例えば「桶狭間」という地名ですら特定できないでいる。
またこの時、今川義元が尾張へ侵攻した理由も定かではない。

こうした合戦が、今般、こまあぷで登場する事となった。
デザイナーは岩永秀明氏。
コマンドマガジン誌面でも活躍されているベテランゲーマーだ。
今回はベテランゲーマー視点で、多くの設計が成されている。

-尾張の制圧戦と上洛戦との選択-

桶狭間の実態を混乱させる一例が、TVドラマ等で採用される上洛説である。
そこでは「上洛する為」という理由で尾張へ攻め込む。
更に「天下を取る為の上洛」とされる事も多い。
メディアでこうしたシーンが多く流れる為、そのイメージが刷り込まれる。

だが近年の歴史学上では、この「上洛説」は否定される傾向にある。
その理由は、上洛を目指す史料が出てこない点があげられる。

本来、上洛するのであれば、それに関する何らかの形跡がある。
経路となる周辺勢力や、寺社や貴族との連絡を取り合うなどだ。
だが自領内の史料にもそうした形跡がない。
従軍した徳川家康も、上洛であったとは言っていない。

では何の理由で攻め込んだのだろうか。
歴史的にこの地では、駿河の今川氏と、尾張の斯波氏とで抗争が続いていた。
応仁の乱より前からの話なので、100年に及ぶ抗争史である。
この間、斯波氏の実権は織田氏へ移った。
よって、こうした一環で桶狭間の戦いが発生した。と見られている。
尾張を制圧する為の戦いとする説である。

つまり俗説である上洛説と、歴史学上の尾張制圧説の二つが存在する。
また場所も特定できず、戦いの意図も分かっていない合戦なのだ、
そこでふたつの説を取り入れると共に、不透明な内容も盛り込み作られている。

-敵の戦力と目的を探るシステム-

ゲームは、お互い戦力が特定できない状態で開始される。
合戦を行う事で、それに参加したユニットが特定されていく仕組みだ。
こうした仕組みは空母戦などでも採用されいる。

登場するユニット数は、両軍お互い5ユニットである。
だが、戦力で上回っていたとされる今川軍は、戦力値が高い。
また手番の中では、合戦の代わりに、2個目のユニットが移動できる。

対する織田軍は数値が低いものの、時間軸が進むと敵の戦力値が低下する。
また奇襲というコマンドで、信長ユニットが好きに配置できる。
こうして両者のバランスが図られている。

勝利条件では、今川は織田の全ての砦を破壊すると勝利する。
また、義元ユニットが上洛ポイントへ到達しても勝利だ。
織田はタイムオーバーで勝利する。
もちろん、両軍とも敵の対象を討取ると、その場で勝利だ。

こうしたシステムなので、序盤は今川軍が主導権を握る。
しかし後半になると、織田軍が次第に有利になってくる。
つまり、今川は序盤から攻勢、織田は時間稼ぎをする作戦が望ましい。
その作戦を支える戦法を、プレイヤー側で構築する事となる。

-ウォーゲームと歴史の伝達-

ガザラの戦いでは、AIにて「機動防御戦」という概念を導入した。
防御線を張ったイギリス軍が、ドイツ軍の打撃力を防御線で吸収する。
その後、後方予備の戦力で、打撃力を行使するという戦法だ。

今回の織田軍では「防御戦から包囲・殲滅戦」へ転ずる戦法を取り入れる。
砦に閉じこもっても良いのだが、それだでは面白さに欠けるだろう。
そこで一部の砦を放棄してでも、防御線を構築し、敵を包囲するものだ。
包囲された敵は退却できないので、合戦で負けるとその場で消滅する。

織田方はこうした戦法を駆使する事で、敵の戦力を削ぎつつ時間を稼ぐ。
独ソ戦のゲームでも、よく生じる光景だ。
ウォーゲームの雰囲気を投影し、歴史もご紹介する。
そうした「こまあぷ」の軸で展開する事を続けていく。

2012年12月1日、ウォーゲームファンの拡がりを、これからも強く願う。


関連リンク
桶狭間の戦い公式サイト
こまあぷ公式サイト
コマンドマガジン公式サイト


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