Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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『信玄上洛デジタルアプリ版』 とは 6 years ago
-アナログからデジタルへ、その意義-

2012年12月27日、『信玄上洛デジタルアプリ版』の配信が始まった。
アナログで作りデジタルへの移植する。
こうした形式を取った理由は、対面的なものをこれまでも語ってきた。
だがもうひとつ「内的な理由」がある。

それは定着しているデジタルシミュレーションの常識打破である。
ユーザー側が持つのと同じく、これは作り手側にも存在する。
これが内的な理由とした理由である。

コマンドを叩き数値を延ばす。
その回数を以って、コンピュータ側の伸張速度を調整する。
ユーザー側には、コンピュータ以上の有利な叩き方で勝利を与える。
作り手側のこうした意識が、ゲーム作りを制限している。

作り方が固まっている為、見せ方のボリューム感を持たせるしかない。
フレーバー的要素だけが拡大していき、ゲームの本質から外れていく。

結果、何が起こるかというと、回らないシステムが生まれる。
回っていたシステムさえもが、回らなくなるというべきかも知れない。
三年やってこの事を強く感じた。

ゲームはチームで制作する以上、意思が共有できないと作れない。
共有できないと、どんどん「背骨・骨格」が曲がっていくのである。
アナログ版を作り、設計書として移植する手法を取った理由のひとつだ。

-タブレットとパソコンの連携-

AndroidやiOSの広がりで、今やタッチ操作が常識化した。
Windowsさえも迷走し、模倣してしまうほどである。
だがその模倣がうまく行くとは限らない。

ネットやメールを使う情報端末としてなら、スマートホンで十分だ。
そうした用途でのパソコン利用は、確実に落ちている。
だがすぐに消えて無くなる事はないだろう。
開発や事務処理など、圧倒的に優位な一定の需要があるからだ。
お互い、それぞれに良い面、悪い面が存在する。

そうした「お互いの利点」を洗い出し、どう連携できるかを模索した。
結果、パソコンでシナリオを作り、タブレット端末で遊ぶ。
そして携帯サイズでも遊べる。こうした連携が効果的ではないかと考えた。

ビューアとしてゲーム。これを情報端末でもつ。
シナリオ作りとしてのエディタ。これをパソコンがもつ。
もちろん、チェックも兼ねてパソコンでも遊べないといけない。
この組み合わせが自然だろうと位置づけた。

だがエディタの開発となると、開発陣の腰は重い。
そこで今回は、アナログ版で自作シナリオ作成を促すゲームを作った。
そこから、開発陣へエディタの可能性を模索させたのである。

これまでもエディタの可能性は打診してきたものの、常に挫折した。
対策として、今回はエディタを作りやすい構造でゲームを設計した。
どの勢力も一律、同じシステムで動き、シナリオのデータで味付けする。
そして、勢力に見合った動きをきちんと取る。

勢力ごとにプログラムで動きを調整するから、エディタ作りは敬遠される。
この部分の対策を打たないと、エディタの制作は見込めない。
という事で、アナログ版の設計時から仕込んでいた要素なのだ。

-シミュレーションゲームの本質-

千人以上の武将が登場し、数えられない程の戦場が存在する。
また手に余るほどのアイテム数と、その収集作業など等。
そうした夢のストラテジーゲームは、世の中にいくらでもある。

そこでアナログ版の設計時から、シミュレーション性を重視した。
シミュレーションと銘打っていても、蔑ろにされているものが多いからだ。
デシタルへの移植も意識し、アナログとしては煩雑な判定も設定した。
だがそうした煩雑な作業も、デジタルとの連携で解消されると信じたからだ。

あまりエディタ制作を重視すると、簡単なシナリオ作りに陥る。
でもシナリオづくりは、簡単で良いのだろうか。

例えば、ある同盟が成立する条件を設定する。
その条件が成立すると、別の設定が発生する。
その組み合わせで、ゲームの流れを作る。

これらの作業を続ける事は、意外と面倒である。
しかしそうした面倒な作業を積まないと、良いシナリオは作れないだろう。

今般、各勢力の行動をシステムで動かし、ソリティアシステムとした。
結果によって情勢が変化する事は、シナリオの特別ルールとした。
これがアナログゲーム『信玄上洛~武田の御旗を打ち立てよ~』である。
そして、このゲームの骨格を移植したのが『信玄上洛デジタルアプリ』だ。

各勢力の行動をAI化しなかった為、エディタは作りやすくなったと思う。
また勢力毎にAI化しなくても、各々がそれらしく動ける事も実践した。
各エリアに数値を与えなくても、役割を果たし、地域性も持たせた。
織田家が信長らしく、浅井・朝倉がそれらしく。
長島や伊賀の意義も持たせ、謙信や雑賀衆の強さも表現できている。
そして武田の強さと脆さも表現できた。

こうした中、与えられた期間で上洛するにはどうするか。
どの敵と、どの程度当たるか。またどの進路を取るか。
目標を達成できなくても、次の対策課題とする。
その対策や可能性を模索する事が、シミュレーションの面白さの一面だ。

-今後の展開-

アナログゲームでは自作シナリオを奨励した。
だからデジタルでも、エディタの提供まで持ち込む。
そこまでがアナログゲームからの移植だと認識している。
これをタブレット端末とパソコンで連携させるのが目標である。

当初の計画では、2012年5月にAndroid版の発売。続けてiOS。
そこからエディタを仕込み、夏~秋にパソコン版であった。
ところがAndroid機の個体差が激しく、制作は思ったより難航。
2012年5月には間に合わなくなった。

そこで伸びたる期間を利用して、武将グラフィックを追加した。
この間、別の仕事を割り入れてしまった。
その為、エンジンとしてのプログラムは出来たが、チェックの時間を失う。
ルール等のチェックが遅れる事で、登録などの手続きがまた遅れる。

これが当初の予定から半年ほど遅れてしまった理由となる。
だが時間を取れた事で、エディタ構想がチーム内で共有化できた。
この共有が出来ていないが為に、後でデータ構造が変わり、バグが出る。
そうしたリスクが減ったのは、実は非常に大きい。

これからは予定通り、iOS版への移植、Windows版への移植が続く。
──パソコンで作り、タブレットで遊ぶ──
そうしたシミュレーションの方向付けを整えていけるだろう。

2012年12月28日、信玄デジタルアプリの新たな方向性を解き放つ。


関連リンク
信玄上洛デジタルアプリ版公式ページ
Si-phonDigitalAppli公式ページ
Si-phonBoardGame公式ページ


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