Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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Si-phonデジタルアプリの指針 について 6 years ago
-コマンド叩きゲームからの脱却

サイフォンのデジタルアプリが目指すところは、コマンド叩きシミュレーションからの脱却である。
所謂、有効にコマンドを叩き、成長スピードでCOMと勝負するスタイルからの脱却である。

デジタルシミュレーションが普及を始めた頃は、様々な形態のゲームが存在していた。
だが、時代と共に淘汰され、今でも大勢を占めるのは、マウスクリックして数値を伸ばすタイプである。
伸ばす数値の基本は、お金であったり、米であったりと、モチーフの経済基盤を表現する事が多い。

そんなコマンドを叩いて伸ばした数値は、次に「兵力=打撃力」に相当する数値と置き換える。
置き換えた兵力は戦闘で消耗するが、その消耗は勝利する事で領土とされるエリアと引き換えられる。
そうして減らされた数値は、またコマンドを叩いて伸ばす。RPGもSLGも似たり寄ったりである。
言い換えると、この成長スピードが「ゲームバランス」である。
ゲームの世界観がどうしたと格好よい説明があっても、結局の所、ゲームの根幹はこうして作られる。

この見た目にも分かりやすい表現は、確かにプレイしていて楽しい。
数値やエリアが拡大する将来図は、予測が容易で、その到達点までがモチベーションとなるからだ。

だが、ウォーゲームが本来持っていたモチーフの「流動的な表現力」を、数値が奪った弊害もでた。
数値の成長が、モチベーションに摩り替えられている事に気付くと、今度は途端につまらなくなる。
ユーザーが目的としたい行動を起こすまでの作業量が、膨大となってしまったからだ。

社会に出て、プレイにかけられる時間が制限されてくると、当然、ユーザーは脱落していく。
当初は購入する事で達成できていた満足感も、次第と飽きへ繋がっていくだろう。
プレイする事から発生する満足ポイントが蓄積しないのだから、仕方がない事である。
そこでここへメスを入れ、ウォーゲーム本来の満足ポイントを絞る事を、本シリーズの指針とした。

-マネージメントウォーゲームの限界点-

従来、アナログでは表現し難かった上記の成長方法は、デジタルでは容易に表現できた。
基盤の数値が増え、領土が増える事は満足感と置き換え易く、普及に貢献する。

だが、飽きは来るもの。
その飽きを埋める為に、人材の管理など、現在のサラリーマン社会の要素が次々と採用された。
現実社会の願望を刷り込ませる手法は、やはり分かりやすく、ウケが良かったのだ。
こうして「シミュレーションウォーゲーム」は「マネージメントゲーム」へ変化した。

この流れから、デジタルではウォーゲームが好きなユーザーが減っていく。
というより、マネージメントゲームが好きなユーザーへシフトしたと言えるだろう。
作りの指針が違うのだから、ユーザーが感じる温度差が生じて当然である。

80年代、ウォーゲームにおける表現力の主流は「打撃力の変化」である。
90年代なると、これがデジタル化もあり「経済基盤の数値を通して変換」される事となる。
00年代では、その経済基盤の数値さえも、「別のパラメーターを通して変換」される物が目立ってくる。
その結果が現在の状態となってしまったのだろう。

マネージメントゲーム一辺倒になってしまった事から、作り方の限界が生じた。
またその事こそが、ユーザーの飽きを解消できない要因となったと言えよう。

-何故、アナログへ回帰したのか-

ひと事で言うと、ウォーゲームの原点に戻りたかったからである。
更に言うと、アナログで行ってきた「表現力の原点」である。
これ無しにデジタルの開発を進めても、開発側が認識できないだろう、という思いがあった。

その後の経緯は省略するが、何にしろ、アナログの表現力を勉強し直す事で、作り方が変わった。
そして、デジタルで出来る優位性を、もう一度見つめ直す事ができた。

そうして考えた結果、経済基盤の数値成長を破棄し、打撃力の流動性の表現へ特化する。
また、打撃力の流動性を計算する事に集中できるシステム、そして、終わりの設定。
特に終わり方の設定がないと、一見、壮大なシステムに映る。
だが実際には、締まりの無いシステムに陥ってしまう、と感じていた事からの設定である。

-サイフォンデジタルアプリの今後-

2012年8月31日現在、未だリリースできていない状況であるが、開発と調整は進んでいる。
という事で、最初に出した二作品『信玄上洛』と『太平洋決戦』の発売は確定している。
今後も、当初はアナログで設計し、デジタルでもリリースする流れは続くだろう。

ただ、規模が膨らんでいくと、他の仕事の兼ね合いもあり、開発の進みが悪くなる。
そこでこの一年は、制作スタッフの育成という点に重点を置く事とした。
これは、中長期的にこの分野で挑戦を続けていく、という決意でもある。
開発の遅れなど生じても、それは前向きに進めていると流していただけるとありがたい。

2012年8月31日、Si-phonデジタルアプリの指針を語る。


関連リンク
Si-phonBoardGame公式ページ


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