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ソリティアシステムのデジタル化 について 6 years ago
-ウォーゲームファンの挫折感と飽きから-

Si-phonBoardGame』では、ソロプレイ可能な-ソリティア-システムを採用した。
このソリティアシステムそのものは、特別新しいものではない。
海外では多くの製品が流通しているし、日本にも入ってきていた。

だが、国内ではあまり積極的な扱いではないと感じていたので、手を入れた。
そもそも、対戦する事なくソロプレイで済ます人口も多い。
ルールを共有する必要もあるが、セットアップに時間を有する等、総じて問題が多いからだ。
そうした理由から、デジタルゲームが流行ったのだが、そのデジタルも行き詰まっている。

1回あたりのプレイ時間が延びた事も、ユーザーを減らしている理由のひとつである。
またスタート時点で、ある程度の予備知識がない場合、上手く動き回る事ができない。
そうした事からの「挫折感」もあるだろうが、この手のゲームへの「飽き」もある。

-モチベーションと市場の崩壊-

この飽きとは何かと言うと、先が読める事から生じる「モチベーションの崩壊」である
アナログからデジタルへ移った暫らくは、移植ものが多かった。
アナログゲームのデジタル化である。
技術はあれど、媒体の能力不足もあり、完全な移植は難しかったが、それでも共存していた。
そこからデジタルゲームの進化が始まる。

一番受けが良かったのは、プレイヤがコマンドを叩いて、コツコツと成長するシステムだった。
コマンドを叩いて自分の能力を上げ、相手を殲滅させ、世界を支配していくというスタイルだ。
目標と現状の把握が分かり易いので、このシステムはどんどん浸透する。

このシステムが浸透してくると、進化は次のステップへ移る。
それはボリュームアップ化である。これでお買い得感が増した。

このお買い得感の役割は大きい。
プレイ出来ずとも、ユーザーへ対し「満足感」を与える場合が多いからだ。
だが市場は縮小していくのに、作る労力は拡大する。
こうした状況は、そう長続きしないので、自然と価格帯が下がってくる。

近い将来、価格が下がるのを予測すると、それまで待つユーザーも増加する。
こうした前兆から市場は崩壊していく。

-デジタルゲームの反省から-

こうした時期、Si-phonはタブーを犯して『空母決戦』で業界参入を果たした。
タブーとは「コツコツ成長しない」「ボリュームよりリプレイ」「廉価版は出さない」である。
どのメーカーが行っている事例を、尽く無視した形で参入した。

その後『戦ノ国』ではコツコツ成長型へ陥ってしまったが、『源平争乱』では脱却を目指した。
ボリューム感の無いコツコツ成長型の難しさを実感した事もある。
こちらの問題は『戦ノ国Ver1.5』で解決していく事とした。

続く『Si-phonBoardGame』では『信玄上洛』と『太平洋決戦』を続けて出した。
こちらでは、先に出した「挫折感」と「飽き」を埋める仕掛け作りを重要視した。

ユーザーへの「ボリューム感」は必ずしも絶対条件では無いが、「チープ」であってはならない。
ユーザーが望むプレイスタイルも、いくつか準備しておく必要がある。
この両立が重要である。

だが、巨額の開発費を掛けられる程、大きな市場ではない。
またチープなシステムが受け入れらける程、ユーザーが飢えている訳ではない。
むしろ、これまで未プレイの資産が、数多く溢れている。

これらの問題をひと通り検討して、ソリティアシステムの採用を決定した。
経験豊富なアナログユーザーに対しては、判定回数が多かったり、複雑である事を押し付けた。
デジタルユーザーに対しては、そのモチーフの「世界観」を導入する事で歓心を得ようと試みた。
デジタルの開発者に対しては、システム上で敵を動かす事から、その負担を軽減した。
こうして『Si-phonBoardGame』をシリーズ展開する事が決定された。

アナログゲームから始まった『Si-phonBoardGame』も、次のステップはデジタル化だ。
コマンドを叩きながら、コツコツ成長させるゲーム観からの脱却を目指すものである。
これにて、Androidなど新しい市場の形成と共に、新しい価値観を形成していきたい。

2012年7月31日、デジタルアプリの開発と共に、シミュレーションの本質へ回帰する事を誓う。


関連リンク
Si-phonBoardGame公式ページ


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