Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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『SGC別冊Vol.2 源平争乱発売記念号』 とは 7 years ago
-SGC別冊号とは-

源平争乱~将軍への道~』の発売に伴い、Si-phonGameClub(以下SGC)別冊2号を制作した。
前号『戦ノ国発売記念号』と同様、プレイのポイントを押さえつつ、コラムを挟む編集スタイルである。
基本的な方針として、別冊は特定作品の内容紹介へ特化したものへしよう。という事にしている。
これにて、SGCの前身である『空母決戦トラトラ虎の巻』の路線を継承したい。

また、今回はコラボレーション企画として、国際通信社の作品と同時進行していた。
ウォーゲーム日本史第10号源平合戦-寿永の乱-』がそうである。
この製品のご紹介も巻末へ加えている。

-支配しているイメージ観の切り崩し-

源平争乱は従来の戦国ゲームと違い、コマンドを叩いて数値を上げ、国を取る形式では無い。
自らの行動に対する対価として「武士団の支持」があり、これが激しく連動し集まる兵も決まる。
コツコツと何かを溜め込む農耕民族観と違い、流動性をもった狩猟民族観の方が強いと言える。
成果を溜め続けるのでは無く、勝つ事を見せ続ける事が重要なゲームなのだ。

しかしながら国内のPCシミュレーションゲームでは、コツコツ成長型ばかりになった。
昔は色々あったが、いつの間にかシミュレーションのイメージはこうした物へ定着してしまう。
一度定着してしまったイメージを払拭するのは、なかなか難しい仕事である。

確かにコマンドを叩く事で、金が増え、兵が増え、戦いに勝つ事で領地が増えるシステムは良い。
特に、敵の殲滅を目的とするソロプレイゲームとの相性が良く、とてもわかり易いからだ。
消費する対価として確実に何かが増えるコマンドに、リスクと比例する博打的なコマンドの並列。
勝ったら増える領地が満足感を与え、負けたらリロードできるシステムが安心感を生み出す。
だが、このシステムが他のシステムを駆逐したは良いが、こればかりになったのは悲しい。

こうした状況下で、他のシステムを持ってくると、必ず発生する違和感がある。
こんなのはシミュレーションゲームではない」という類のものである。
これは、別にユーザー側だけの問題ではなく、粗方、開発側も支配されているイメージなのだ。

という所で、このゲームとシステムをご紹介する冊子とした。
二本のレポートの間にあるコラムは、戦国時代との違いをアピールする為に挟んでいる。
源平時代のゲームの面白さを深めて欲しい。との思いからだ。

-ポイントプレイ木曾義仲とマニアプレイ多田行綱-

ゲーム中の基本的なポイントは、木曾義仲でのプレイレポート形式でまとめている。
このパートを読んでおけば、大まかな展開は想像つくだろう。
4ページに渡っているが、実質B5横版で2ページの文量である。
文章を読むのが苦手な方でも、この文量ならスラスラと読めるであろう。
このパートで、ゲームのポイントはつかめると思う。

そしてマニアプレイへ走る。
開発当初、多田行綱のプレイは想定していなかった。
関東の源氏で行う、バトルロワイヤルプレイを想定していたからだ。
サブタイトルも「~あづまの武士団~」などを予定していた。

だがリサーチ担当の白浜わたる氏の計らいで、多田行綱の勢力化が決定した。
この勢力が他と違う所は、当初、平家と同盟関係にある。
つまり、最初のうちは平家方としてゲームを進めながら、途中で裏切るプレイとなる。
裏切るタイミングを嗜むといった、奇妙なプレイが想定される。

早すぎても潰されるし、遅れても蹂躙される。なんとも奇妙奇天烈な存在なのだ。
平家物語において、鹿ケ谷の陰謀の密告役であったり、後、義仲についたり、義経についたり。
一の谷の鵯越の功績も、義経ではなく行綱の功績であるという研究も出ている。
そして、いつの間にか歴史から消えるという、摩訶不思議な存在である。
恐らく、この多田行綱が主人公としてプレイできるゲームは、源平争乱だけではないだろうか。
そんな興味深い人物でもあるので、別冊でのプレイ勢力に選択してみた。

-偏ったジャンルとシステムの打破を目指して-

相変わらずPCゲーム市場の低迷は続いている。震災以降、更に進んだ感も強い。
そんな中、源平時代のゲームを登場させた事へ対し、賛否両論のご意見が届いている。
源平争乱で目指したものは「戦国に偏ったジャンルとシステムの打破」である。
戦ノ国では出来なかった所へ、一歩でも踏み込めたと思う。

もちろん、源平時代は歴史的にも面白い時代であり、興味深い英傑たちも多い。
リサーチが大変だからか、あまり話題になる事は少ないのであるが、広まって欲しい気持ちは大きい。
そうした所で、同時に制作が進んでいたウォーゲーム日本史であるが、これはまた別の機会に。

2011年6月16日、興味深い源平時代の伝達と、閉塞感漂う業界への挑戦と共に。


<関連リンク>
源平争乱~将軍への道~
ウォーゲーム日本史第10号源平合戦-寿永の乱-

<関連記事リンク>
SGC別冊Vol.2 源平争乱発売記念号 ご紹介
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