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『源平争乱~将軍への道~』 とは 5 years ago
-日本史を扱うラインとして-

2011年5月20日無事に『源平争乱~将軍への道~』が発売された。
作品コンセプトに関しては、公式サイトへ掲載しているので、ここでは別の視点で語りたい。
 (作品コンセプトページはこちら)
ここでは「開発裏話」といった所か。

まずSi-phon(サイフォン)というゲーム事業を手がけるにあたり、3本の開発ラインを持とうとした。
 ・近代/現代を扱うライン
 ・古代/中世を扱うライン
 ・SF/ファンタジーを扱うライン
未だ同時進行できないでいるのだが、この三年の間、体制作りには邁進している。
3つのラインを持とうとしたのは、現在のゲーム市場においてジャンルの偏りが目立っていたからだ。
子供の頃はそんな偏りはなく、色んなジャンルのゲームを楽しめ、知識も吸収していったものである。
だから、どうしても多くのジャンルを提供していきたかった。

そうして空母決戦の開発途中の段階ながら、日本史を扱うラインの企画が始まる。
源平からのスタートが戦国からになった話しは、作品コンセプトのページで行ったので省略する。
空母決戦の開発では初めてという事もあり、色んな問題が起こった。
その問題を解決すべく、戦ノ国の開発体制をとったのであるが、問題は更に増えた。
組織とは如何とも難しいものである。

-シミュレーションなのかストラテジーなのか-

ことデジタルの分野において「シミュレーション」と「ストラテジー」とは、ジャンルが異なるらしい。
海外では、再現性を求める物がシミュレーションで、勝敗を求める物はストラテジーという事だ。
日本では、ウォーシミュレーションとか、歴史シミュレーション、という呼び方をするので紛らわしい。
特に「戦略級」「作戦級」「戦術級」という言葉に慣れ親しんできた身には、わかり難いものである。
これらを「ストラテジー」「オペレーション」「タクティクス」と置き換えてしまうからだ。

ここでどちらの路線でいくのか、という話しになる。
空母決戦、戦ノ国、とやってきて感じたのは、再現性を求めるシミュレーションは難しいという事だった。
少なくともスタッフ全員が、そのモチーフとゲームに対する価値観を、同じにしていないといけない。
向きと長さを「同じベクトル」で持ち合わせる事が必要となる。
これが思いのほか大変なのだ。
このベクトルが違うと、中途半端な出来になってしまうだろう。
逃げる訳ではないがゲーム性を重視し、ストラテジーの路線で行こう、とした。

ここで今回、リサーチを担当してもらった白浜わたる氏の出番となる。
ゲーム内の武士団の名称を見てもらうと分るが、何処からデータをもってきたのだろう。
こと源平時代となると、こうしたデータは極端に少なく、地域によっては全く無いとも言える。
鎌倉時代の御家人と言っても、当時の武士団全体からするとほんの一部であり、その全体像は分らない。
そうした中での作業である。苦しい作業の中で、思い入れも強くなっていったであろう。
ストラテジー路線であるこのゲームを、歴史の再現性を求め、最後まで尽力して頂く事となる。

-表現力の改善-

弊社のゲームはスクリーンショットで損をしている。などと、よく言われる。
色の使い方。空白や時間の使い方。その組み合わせ方。これに色調、明度。
そして重要なのは、目を向けさせる仕掛けと遊び心。
少なくともパッケージゲームである以上、スクリーンショットを見て欲しいと思わせなければダメ。
そうしたアートワークに関する問題点を、耳が痛いほど言われ続けてきた。

今回はそうしたご指摘を受け入れつつ、少しは前進しようという事で、口を挟ませて貰った。
まず「明るい源平」という話しは、作品コンセプトの中で語った。
次に合戦画面などに出てくる台詞機能を加えて貰う。
これまでもプログラム上では計算されている表現を、ユーザーへ伝える表現力が乏しかった。
この反省からである。構造上、後で追加や変更ができる様にとも頼んだ。
先駆け等のイベントや、士気値が変動するシステムとも連動し、少しではあるが改善できた。
またそうした気持ちが伝わったのか、開発側で挙兵する場面へも組み込んで貰っていた。

こうした小さな積み重ねより「チェンジ&チャレンジ」を目指す事となった。
これからも継続していきたい。

-鈴木銀一郎先生のアドバイス-

開発途中、鈴木銀一郎先生とお会いする機会があった。
その場にて、源平のゲームを作っている事で、アドバイスを頂戴できた。
先生曰く「源平のゲームなら一騎討ちがあると良い」「それがあれば源平らしく見える」である。
流石は業界の大御所であり、ど真ん中のストライクをズドンと突いて来るものである。

残念ながら、システムが組みあがっていた頃合であり、平家物語登場の小さな人物が出てこない。
一騎討ちは無理ながら、先駆けなど、源平を彷彿させるイベントを組み込む決心が出来た。
前記の台詞機能との組み合わせである。
鈴木先生のお墨付きという言葉を添えて、開発側へねじ込む理由とした。

-今後の展開など-

発売したばかりで、実はあまり明確な予定はない。
もう少し口上手であるなら、今後の展開など同時発表できるのであるが、暫しお時間を頂きたい。
これまで空母決戦でやってきた事を、戦ノ国でやるターンに入ったばかりでもある。
時間を掛けて練り込んだ方が、良い案になるかもしれない。という勝手な理由もお付けしたい。

空母決戦では、当初から目指していた書籍との組み合わせパッケージという物が漸く実現できた。
歴史とシミュレーションとの組み合わせで、書籍は強いと思っていたからである。
そんな思いから、戦ノ国同様、源平争乱でも小規模ながら特典冊子をお付けした。
源氏が主役の今回のゲームにおいて、予備知識として知っておいて貰いたい情報であるからだ。

この源氏の歴史を知る事で、源平時代の面白さは増していけると感じている。
源氏の歴史に絞り込んだのは、覚えてもらい易くするための絞込みである。
登場勢力と交えて知って頂けると幸いである。

源平はゲームモチーフとして弱いと言われてきたものの、これ迄にも多くの方に応援の言葉を頂き続けた。
源平時代の面白さを知っている方としては、源平ゲームが出ない事がもどかしかったのだろう。
そうした声にも推されて、無事に発売する事となった。
源平争乱期の戦いとは何か、どういう社会システムだったのか、武士団に支持されるとは何か。
こうした所まで踏み込んで頂けると、これまた幸いである。

2011年5月21日、これからも源平時代の研究が進み、この面白い時代をもっと知って貰う事を願う。


関連リンク
源平争乱~将軍への道~
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