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今般、弊社編集部とコマンドマガジン編集部とのコラボ企画として、空母戦のムック本を制作した。
世に空母戦を扱ったムックなんてものは、幾らでもある。
きっと「今更何出してんだろ」などと、思われる方も多い事だろう。
企画の始まりは『空母決戦』の攻略本を願う、あるユーザーの思いからであった。
だがこの答えには慎重であり続けた。
元から「シミュレーションゲームに攻略本が必要なのか」という疑問を持っていたからである。
ゲームとは、繋がりのある歴史の一部を切り取りデザインした世界。そう思っている。
そのゲームの世界に、歴史の再現性を求めたり、想像するifの世界を模演すること。
それがシミュレーションゲームの面白さであり、演じれる事が楽しさだと感じている。
こうした思いから、本来、シミュレーションゲームと歴史とは、相性のよい趣味であると考えていた。
だが昨今の状況から、そうした思いが薄れてしまった。
この奇妙な感覚は何所から生まれてきたのだろうか。
―趣味の間口とは―
子供の頃やってた『日本機動部隊TASKFORCE』であるが、購入したのは衝動買いに近かった。
その時点の空母の知識はと言うと、プラモデルのパッケージ絵程度の知識しか無い。
それとアニメ宇宙戦艦ヤマトの「三段空母」「戦闘空母」など。
つまり、購入した時点では空母戦の知識など、全く無かった。
それでも遊べて、そこから空母戦の事を色々と勉強できたし、趣味の世界も広がっていく。
特に今のPCシミュレーションゲームで、そういう製品があるのだろうか。
逆にプレイする為に、多くの知識がないとプレイできなかったり、多大な時間がかかったり。
これでは、とても趣味の間口だとは言えない。
そうした強い思いから『空母決戦』は開発されたのである。
また本の世界ではどうなのだろう。
一時は空母戦のムック本も大量に出ていたが、やはりシリーズ化すると専門色が強くなっていく。
読み物としてやりつくし、3DのCGビジュアルもやりつくし、停滞期に入ったのであろうか。
最近は目にする事も少なくなった。
では、そうした世界で何ができるのか。
現在の状況が行き詰まっているとすれば、それは「出版側が語りかけるレポート」の世界である。
三年間の戦い、10幾つの空母戦、数十隻の空母。
語れる事がこれだけなので、出版版が語る事は限られるし、それは仕方がない事だろう。
だが趣味の世界として、空母戦を知ってもらう為に伝える事はまだ残っていないか。
それはシミュレーションゲームが本来持っている「ユーザーが感じるレビュー」の世界である。
ゲームを通してその戦いで何が起こったか、何ができたのか、どのような結果が起こり得るのか。
この事をお伝えしたくて『ゲーム視点から見た空母の戦い~空母決戦と日本機動部隊~』は作られた。
―空母決戦の記事―
一応、空母決戦のページでは攻略本としてご紹介している。
内容は、戦史紹介のページがあり、空母決戦の攻略ページがあり、日本機動部隊のページあり。
ただの攻略本にあらず。ちゃんとした空母戦を楽しむ本として制作している。
これは値段をつける以上、並んだデータ集だとか、CGと登場兵器の一覧にしたくなかったからである。
そんな自社製品データだけの世界を本にするくらいなら、サイトで公開するなりすればよい。
もしくは最初っから、パッケージの中に入れておけばよい。
「空母決戦トラトラ虎の巻」はそうした思いから、印刷物を無料配布してwebでの公開もした。
そうした微妙な思いから空母決戦のページは、自分では書けないと思い、徳岡正肇氏へお願いした。
特にシミュレーション系のゲームライターとして、著名な氏の記事に価値があると思ったからだ。
という事で、大勝利への攻略方法は、徳岡流攻略記事となっている。
また、お金を払ってもらったユーザーに対し失礼にあたらない様、未公開データも付いている。
空母決戦では、敵の艦隊の位置がランダムで変化するのであるが、その登場位置の公開である。
また敵味方の戦力も公開した。
これはあるシナリオでは、敵の空母の数もランダムで変わるので、その証明の為でもある。
―日本機動部隊の記事―
日本機動部隊のページでは、弊社の商材ではないので、特に製品のコンセプトと違わぬよう注意した。
この製品の中で一番重要だと感じているのは、マニュアル中の「戦略と戦術」というページである。
これがあったが為に、子供時代、ズブのド素人でもプレイできたし、そこから趣味の世界も広がった。
その原点はマニュアルの中にあるこの章だと思っている。よってこの補填を重視した。
日本機動部隊のシナリオは主に2つの性格を持つ。
1つは前半のシナリオにある、ルールを覚えていく為のチュートリアル的シナリオ。
もう1つは、空母戦を楽しむ対戦シナリオである。
前者は、ゲームのシステムなどのご紹介。後者は作戦を立てる楽しみ方を掲載する方法を取った。
つまりこの書の本筋は、この後者の方とも言える。
作戦を立てる楽しみ方より、さらにゲームの世界と、歴史の世界を深めて欲しいのだ。
そうしたツールとして、コマンドマガジン編集部との合意が出来、この書が実現できたのである。
―最高の制作スタッフ陣の下に完成―
また本企画の実現にあたり、元『シミュレイター』誌の制作陣の多大なるご協力も頂戴した。
日本機動部隊のデザイナーである鈴木銀一郎氏。元編集長の鹿内靖氏。鉄十字の足跡の大木毅氏。
このご三方のインタビュー記事も掲載できる事となり感謝の限りである。
鹿内氏と大木氏は、共著で『鉄十字の軌跡』を昨年出されたゴールデンコンビである。
それに現在コマンドマガジン編集長である中黒靖氏。
シミュレーションと歴史を語る上で、最高のスタッフ陣にて編集作業ができた。
2011年4月9日、これよりシミュレーションゲームと歴史を趣味とする方が増える事を願う。
<ご購入>
<関連先リンク>
・ゲーム視点から見た空母の戦い(Si-phon)
・空母決戦(Si-phon)
・日本機動部隊JWC版(国際通信社)
・空母決戦シナリオ追加キャンペーン情報(Si-phon)
<関連記事リンク>
・作歴史とゲームという趣味 について
・空母戦の魅力 について
・作戦級PCゲーム『空母決戦』 とは
・ボードゲーム『日本機動部隊TASKFORCE』 とは
・空母決戦 勝利条件トラトラ虎の巻 ご紹介
・『鉄十字の軌跡』 とは
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