Si-phon Game Club (SGC)Simulation Game & Column (SGC-シミュレーションゲームとコラム-)

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『ゲームジャーナル』 とは 9 years ago
-ゲームジャーナルの特徴-

ゲームジャーナルは、『ゲーマーによるゲーマーのためのボードゲームSLG専門誌』である。
海外でも著名なゲームデザイナーである中村徹也氏。彼が代表のシミュレーションジャーナル社が年四回発行している。
ゲームジャーナル誌の構成は、ゲームデザイナー視点からの戦史解説がメインである。
ここは作家でもなく、歴史家でもない点が興味深い。そして毎号、アナログボードゲームが付録している。

誌面ではルールブックに収まらない、ゲームコンセプトやデザイナーズノート風の記事など、付録ゲームに関する内容が
多い事も、このゲームジャーナルの特徴であろうか。

また付録ゲームの特徴は、オリジナルのものが多い点だ。
オリジナルであるという事は、過去、業界が背負った欠点を見つめなおし、ちゃんとプレイできる事が前提となっている。
これは全くもってあたり前の事なのだが、このあたり前の事があたり前で無かった時代があった事も事実である。
勿論、過去の名作の復刻や、ライセンス品も存在し、これらの選択には上記の条件≪プレイ可能である点≫が前提だ。

-ゲームジャーナル別冊の位置づけ-

年四回発行されるゲームジャーナルとは別に、更にゲームへ特化したシリーズである。
ゲーム誌の付録では再現できない、もう少しボリューム感のあるゲームを提供したいとの事だろうか。
現在販売されている「信長最大の危機」「大日本帝国の盛哀」などは、マニアの間でも評価が高い。
またなんと「ヒストリー・オブ・サムライ」は、源義家から徳川家康までもが登場する、長い武士の歴史を再現している。

-GameJournalNo.31付録「文禄朝鮮の役」-

初めにことわっておくが、このゲームは別に李氏朝鮮国を征伐するゲームではない。
明・朝鮮側が手馴れていた場合、恐らく、日本側で勝利する事は難しいであろう。よって日本側の難易度は若干高い。
ゲームにおける将軍(武将)は、ユニットを指揮できる能力と、攻撃する能力とで表現されている。
攻撃力が高いと強い、という事なのだが指揮できるユニット数が制限されていると、何かと制限が多い。
日本軍でまともに行動できるのは、実は加藤清正くらいなのだ。
島津も戦闘力はあるのだが、指揮できるユニット数が少なく使い難い存在である。

この切り口が何を意味するかというと、日本軍は強いが脆い、である。
強い方が勝つのではなく脆い方が負けるという≪過去の歴史・戦史の≫法則を、このゲームは見事に再現している。

話をゲームに戻してみると、プレイする限り、日本軍のプレイスタイルは幾つかある。
まずは最初に真面目に勝ちに行くプレイスタイル。ゲリラ戦対策をトコトンやる。それで負ければ仕方がない。
そしてもう一つは、勝負は放っておいて、清正を自身で設定した目標点まで突き進ませるプレイ。
気分はミューズ川へ突き進む、無敵のパイパー戦闘団といった所か。
その他にも、自分なりの美学に基づいて、遊びたい様に遊べば良いではないか。それが出来る素材であると感じる。
ルール上の勝負に拘らず、自分のプレイスタイルに合わせたプレイが出来るというのは、かなり嬉しいものである。

-GameJournalNo.32「霧の関ヶ原」とNo.34「燃えよ!姉川」-

実は、この二つの号の付録ゲームを、まだじっくりとプレイが出来ていない。
但し周りの評価は悪くなく、というより、高い評価を耳にする。早くプレイする時間を確保してみたいものだ。

この中で姉川については、セットアップとソロプレイを少しだけやった。
美しいマップにユニットをセットアップしてみる。詳しくリサーチした訳ではないのだが、初めは違和感を覚えた。
いやいや、これは絶対ないだろう」と配置していくその傍らで、強い徳川などのレートにも疑問が沸く。
そうしてセットアップを終了してみると、デザイナーの心境が伝わってきた。
でもこのノリが大切なんだよな」と。

ルールには様々な制約がある。
だが、その制約というのは、「浅井が浅井らしく、朝倉が朝倉らしく、織田が、徳川が、それらしく」を目指している。
講談ノリのセットアップとルールなのだ。
そしてこのノリが≪早くプレイしたいという≫気持ちを急かす。
ゲームとして、この気持ちの高揚も大切であると、改めて感じ入った。

-今後への期待-

恐らく、現状の多くのゲームジャーナルユーザーは、現在の路線を継続してくれる事を願っているだろう。
何故なら、過去の反省を踏まえたゲーマー目線のコンセプトであり、これを変更する必要を感じないからだ。
ただ残念な事に年四回しか発行されない為に、ジャンルの偏りが目立つ。
2in1の小さい方で良いので、国内ではマイナーなジャンルのゲーム提供もお願いしたい。

2010年8月1日 ジャンルの裾野を広げていただけるよう、期待を込めて。